この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

「恋人の写真はたくさん撮るとよい、撮りすぎるということはない」「別れると後々撮りためた写真が重く感じる」みたいなことを友人との会話で聞いて、そんなものなのか、と深く考えていなかった。恋人と付き合っている中で別れたあとのことの想像なんて、とても現実的にはできない気がするし、できなかった。

いざそうなってみた後で写真を見返してもモヤモヤしたものや後腐れのようなものはあまりない。
二人で写っている写真はほとんどなくて、自分がその人だけを捉えた写真ばかりがある。これらを見返してみても、ああ綺麗だな、と感じるばかり。

恋人であるとかよりもっと前に、この人はとても綺麗で奪われたくなかったから、今までに感じたことがなかったくらい、写真というかたちで残したいと感じたのだろう。
この人を連れ去るのは人ではなくて時間のような気がしていた。