崩壊:スターレイル (以下、スタレ) というゲームを薦めます。
主に原神プレイヤーを意識した訴求点を書きますが、原神プレイヤー以外にも伝わるよう意識して書きます。
崩壊:スターレイルとは
崩壊:3rdや原神、ゼンレスゾーンゼロを送り出すmiHoYoが展開するコマンドRPGで、基本的なシステム (育成、素材稼ぎなど) は原神などをベースにしています。
基本プレイ無料でキャラクターや武器 (光円錐) などで一部課金要素があります。オンラインマルチプレイを前提としたコンテンツはほとんどないので、単にガチャ要素があるというだけでソーシャルゲームというのはいささか的を外しているといえます。 強いて言うならガチャありゲームです。
魅力1: 群像劇
スタレには目的を異にする数多くの勢力が存在しており、それらの衝突や合流を軸に物語が動きます。
主人公は星穹列車という星々を渡り歩いて探索そのものを目的とする勢力に属し、それぞれの星で異邦人として物語に巻き込まれます。
スタレの世界には壊滅や存護といった運命があり、星神と呼ばれるそれら運命を司る上位存在がいます。
運命とは人々の思想信条・行動指針のようなものであり、「運命」という言葉の持つ一般的なニュアンスとは違い、どちらかというと哲学や宗教のようなものです。
運命と登場する派閥が一対一で対応するわけではなく、ある運命を信仰する派閥が複数存在することもあり、派閥によってその信仰の強さもまちまちです。
多くの勢力・派閥はいずれかの運命を信仰していることが多く、思想の違いや利害によって派閥が衝突することもしばしばあります。
原神はメインシナリオのチャプター (魔神任務) ごとに勢力は入れ替わるものの、主に主人公サイドと敵対サイドの対立という構図がほぼ一貫しているのに対し、スタレは複数勢力が入り乱れる上に近頃のシナリオでは主人公以外の視点が物語が進む *1 演出が増えてきています。
例によって難解な固有名詞や翻訳特有の表現の癖があり情報量に圧倒されそうになりますが、バックログや情報アーカイブが充実しているので「これって何のことだっけ?」と気になった時に復習しやすいのもありがたいです。
魅力2: 作り込まれたキャラクターがたくさんいる
miHoYo作品はキャラクター造型にとても力が入れられていることで知られており、スタレも例外ではありません。
ここでいう造形とは単なるビジュアルデザインのみを指すものではなく、パーソナリティや出自、他のキャラクターとの関係性など、まさしくそのキャラクターたらしめたる特徴全体のことです。
執筆時点で59人のプレイアブルキャラがおり、かつ専用のキャラクターデザインを持つ (いわゆるモブ顔ではない) 将来のプレイアブル候補を含めると今後も継続的な追加が期待されています。
原神は現在プレイアブルが90人ですが、スタレは2023年のサービス開始からもうすぐ2年になろうという時点で59人なので追加スピードの早さが伺えます。
声優のキャスティングも原神など他作品に準じた力の入れようです。
先に挙げた群像劇という特徴とも絡むのですが、以前のメインシナリオで活躍したキャラクターが後の別のシナリオで再登場する……といったこともままあるので推しキャラが見つかったのにもう出てこないよということが少ない(かもしれない)です。
というより、メインシナリオ自体が一本道ではなく派閥ごとに動向が枝分かれしては合流して……を繰り返しており物語が一方向に進むものではないので、再び脚光を浴びる機会が自然とあるというほうが適当かもしれません。
また「千の星を巡る紀行PV」というストーリーを補完するPVも公開されており、これは特定のキャラクターに焦点を当てた内容になっています。
これとは別にキャラクターを紹介するキャラクターPVもありますが、キャラクターPVが基本的に実装される星5キャラクターごとに作られるのに対して、紀行PVはシナリオの補完が前提としてあるのでメインに立たないキャラクターがほとんどです。
原神の伝説任務 (キャラクターエピソード) に相当するシナリオがスタレでは同行クエストと呼ばれるのですがこれも実装がまちまちで、伝説任務に相当する内容を紀行PVと同行クエストで担っていると考えてよいかと思います。
いずれにせよキャラクターやシナリオを掘り下げるものなので、どれも数分程度ながらとても濃密かつ示唆的で、よりキャラクターのことが好きになります。
※もちろん例によってネタバレを多分に含みます。
魅力3: 並行プレイに向いたシステム
スタレは他のタイトルと併走するのに向いた特徴を持っています。例を挙げると:
- 育成素材収集が優しい
- 原神と異なり素材に曜日制限がないので、いつでもすべての素材が収集できる
- 新エリアにある素材収集スポットもメインシナリオを進めることなくそのスポットに挑戦できる
- 開拓力 (いわゆるスタミナ、原神でいう樹脂) が溢れても予備開拓力としてプールでき、いつでも取り出せる
- オート戦闘がある
……などです。
実際、筆者もスタレの素材集めを裏で回しながら原神のデイリーや素材集めをするのが日課になっています。
素材を集めるために雑魚を倒す戦闘はおもしろみも薄く作業然としてしまいがちなのでそういったところはオート任せにし、ボス戦や高難易度コンテンツでスコアを稼ぐ時はマニュアル操作で戦略を練る……という風にメリハリを付けて楽しめるところにデザインのよさを感じます。
当初、オート戦闘はコマンドRPGの醍醐味をすべて奪ってしまうのでは? と懐疑的だったのですが、必殺技の演出が凝っているので毎回見たくなるし、そもそも必殺技はターンに関係なく割り込んで発動できるため戦略を突き詰めていくとここぞというタイミングで必殺技を使うことが重要になってきます。
魅力4: 力の入った演出
特定の敵や戦闘専用のBGMが存在することはもちろん、ボーカルを取り入れた劇判も多く、またそれらは非常に印象的な場面で使われています。
さらに曲の進行とイベントや戦闘の演出をシンクロさせている場面もあり、曲の盛り上がりと共にクライマックスを迎える際には言い様のない高揚と感動をおぼえることは間違いありません。
ゲームのシステム的な特徴を説明すれば先に述べように「コマンドRPG」となるのですが、思うにスタレはmiHoYoの考える最高のビジュアルノベル体験ないし没入型のアニメーション作品なのだと思います。
複数の視点を入れ替わり立ち代わり見せる演出であったり映像と劇判の同期であったり、随所から伺えます。
原神がほとんど完全なオープンワールドでキャラクターを自由に動かしシームレスに戦闘したり探索できることに比べると、フィールド上の操作という意味ではスタレではできないことのほうが数えれば多いです。
しかしそのビハインドを補うどころか上回るまでの物語体験があると保証してもよいです。
まとめ
他にも高難易度コンテンツが充実しており幅も広いため、特定のキャラ・パーティで無双することが難しく、いろんなキャラ・パーティに活躍の機会があったりなど、枚挙に暇がありません。
ひとついえるのは、もし興味を持ったらヤリーロVIのクリアまではプレイを続けてみてほしいということです。
最初に訪れる星ですが、まず宇宙ステーション編が序章として存在するため、分量としては1.5章くらい、原神でいうと璃月の半分くらいまでです。
そこまでプレイした暁には、もはや誰に何を言われるまでもなくスタレに惹き付けられていることでしょう。
ぜひみなさんも開拓者になってみてください。
この記事はmasawada Advent Calendar 2024 - Adventarの2日目の記事として書かれました。
最近、原神はご無沙汰と聞きますがスタレはどうでしょうかid:masawadaさんという気持ちを込めました。
*1:実際に操作するキャラクターも変わる