難波、四つ橋、天王寺

この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

9時半くらいに起きてだらだらしつつシャワーを浴びて地下鉄東西線で三条京阪へ向かう。京阪に乗り換えて目指すは淀屋橋。

地下鉄は混んでいたけど京阪はさほど混んでおらず、特急には難なく乗れた。京都府内の駅では丹波橋での乗客が (三条以南では) 多かったように思える。さすが乗り換え駅といったところか。

淀屋橋で地下鉄御堂筋線に乗り換えて難波まで。御堂筋線で難波まで来るのは初めてだ。年明けに南海難波から梅田まで乗ったことはあったけれども。

いつだったか大阪市営地下鉄を乗りまわる旅をしたとき以来の阪神・近鉄難波駅。梅田以上に雑多な造りであるので若干疲れる。若い女性グループがキャピキャピ会話していて、大阪っぽい、と思った。

はてなブックマークニュースで取り上げられていたパンケーキカフェに向かう。商店街の様子とかが、広島市街を彷彿とさせた。

カフェだけあって回転率が悪そうで、14時前に並びはじめて15時までに食べられたらいいね、くらいの気持ちだった。話したいことはいろいろあるし好都合というほどだったかもしれない。

近況だとか、就職の話、住む土地、生活を共にしたい人の話、など。恋人とのこと、新生活のこと、いろいろ困難が多そうで、傍から見て大変そうであるけど、本人から深刻さのようなものが感じられない。もともとそういう人のような気もする。大変なことを「大変だ」と深刻に受け止めてもなんとかならない、というような考え方をするような人だった気もする。

あるいは本当に問題を深刻に受け止めることができていないのかもしれない、とも思う。想像するほかないこれからの問題について現実的に考えよ、というほうが酷であるとも思う。

自分はそういった話、つまり自分の生活から影響を受ける人が他にいて、その人への影響についても考えながら自分の生活をなんとかする、といった類の経験がまったくないので、「大変そう」という感想を抱くほかないし、何か益体のあるアドバイスができるわけでもなかった。

バナナとナッツの塩キャラメルソースがけパンケーキ、みたいな名前のパンケーキを頂く。お腹が減っていておやつ気分というより遅い昼食気分であったので、もっと昼食らしいメニューにしてもよいかも、と思ったが、甘いものが食べたくてやってきて30分以上も並んだので、うんと甘そうなもの、暴力的なまでに甘いものを食べたかった。

食事中はお互いお腹がすいていたこともあってか無言で黙々と食べていた。

甘いものを食べて満たされたあと、道頓堀のほうへ向かった。2年前に大阪に引っ越してきて、大阪市内にでかけることもいくらかあったけど、道頓堀がどこにあるのか知らず行ったこともないままで、いままで知っていた大阪と自分が足を踏み入れた大阪に乖離を感じていた。しかし、とうとう道頓堀にやってきて目にして、はじめて大阪を訪れたという気持ちになった。京都もいくらか有名な観光地があって訪れたこともいくらかあるけれど、こんなに「見たことのある『あの場所』だ」という感覚は初めてだった。大阪はそれほど自分にとって縁遠いというか、外国のような場所だった。御堂筋から一筋東に入ったところにあったということも驚きを隠せなかった。

そのあと四つ橋のほうに出かける。四つ橋筋は地下鉄の路線名でしか聞いたことがなくて、四つ橋線に乗ったときは谷町線より暗くて汚い駅や車両を見て、なんと荒廃したところなのだろう、と感じたので、自分のようなアンテナの低い人間でもおしゃれスポットとして聞こえている堀江の地がこのあたりにあると知って、これもまた驚きを隠せなかった。

ニューバランスのお店に入ったのだけど、けっこういい雰囲気というか、靴を選ぶときに ABC マートくらいにしか入ったことがないので、新しいスニーカーを買ったばかりだけれど三宮にあるパトリックの直営店を見にいこう、という気持ちが強くなった。

それからスターバックスで休む。何を話したか覚えていないけど、本当に雑多な話ばかりで、楽しかったけれどたぶんあまり意味のない話だ。「そうしてはいけない」状況に陥ると強いストレスによって不謹慎なことばかり考えてしまう、みたいなことを話した気がする。

「恋人の写真を見せろ」と言われたので見せる。「まだまだ他人というかんじがする」と評された。自分もそう思う。気持ちの上でそういうこと感じてはいない (と思う) けれど、写真を撮る上で、ファインダー越しに感じる距離みたいなものは、まだまだよそよそしいかもしれない。単に道具の問題 *1 のような気もするし、精神的なものかもしれない。単に人を撮り慣れていないだけかもしれない。

四つ橋のスターバックスは人が多いけれどさほど圧迫感を感じることがなくていい雰囲気だと思った。

これからどうするか、という話をして天王寺のほう、あべのハルカスでも見にいくか、ということになった。心斎橋から地下鉄で天王寺へ。難波以南に訪れるのは生まれて初めてだ。

天王寺の商店街は道路の向こう側にあべのキューズがある一方で怪しいうらぶれた店が立ち並んでいて異様な雰囲気を出していた。友人は「(あべのキューズが出来る前は) もっとすごかった」と言っていたが、いまでも十分凄みがある。このあたりも広島市街に似ているような気がした。下町のような雰囲気? 自分の嫌いなまちのにおいがする。

せっかくなので飛田新地の近く、壁のあたりまで行こう、と話した。駅から少し歩くとマンションが立ち並んでいて、既に異様な雰囲気を感じた。南草津とか開発された住宅地はこんなものだよ、と話していたけれど、それでもこれはおかしいと思う。

有刺鉄線がはり巡らされた公園を過ぎると飛田新地が見えた。白い看板に浮かぶ店名。妖しいガス灯。なるほど、たしかに「壁」とは言い得て妙で、ここは明白に区切られた別の世界なのだ。

天王寺駅のほうへ戻ってあべのハルカスに入る。家具とか生活雑貨売場を見る。「こういうのは (恋人とか) 一緒に生活したい人と見ないと楽しくないでしょ」と言われた。ひとりで見ても、友人と見てもおもしろいと思うんだけどな。

飲食店街でうどんをいただく。百貨店の中に入っているような店としては破格の安さと味だったと思う。月見かけうどん、おいしかった。

帰りにせっかくだからと近鉄阿倍野橋駅を見ることにする。入場券150円を買って入場する。趣味がわかっているというか、気が利いているというか、あまり訪れない土地だから (入場券を買ってでも) 駅を見よう、なんてことは、誰とでもしようと思わないし、したいと言えないことだと思う。

楔形のホームで阪急梅田がしょぼくなった雰囲気。しかし、さくらライナーがとまっていたり、近鉄らしさというか近鉄ならではの風情みたいなのはあった。

構内のコンビニ近くにある路線図を二人でしばし眺めた。阪急や京阪、あるいは JR とも違った趣あるネットワークを形成しているので、これほどコンテンツとして楽しめる路線図もない。名古屋から三宮まで含んだ路線図からは言い様のない夢を感じる。

帰りは JR 環状線で。友人は鶴橋で下車、自分は大阪へ。空気が悪くて具合が悪くなってきて、何度も途中で降りようかと思ったけど、降りてもそこは大阪で、空気がこれよりよいことなんてなさそうだった。大阪駅までの道程が果てしなく長く感じられた。

降りてからは少しよくなって、グランフロント大阪の店舗の中に入って少し涼んだ。まだ空気はよいほうだったと思う。

ちょっとよくなったので阪急梅田のほうへ。快速急行が最速だけど、座ってからまた気持ち悪くなってきたし、この体調だと快速急行の停車間隔だとまずい *2 のでは、と感じたので出発直前に降りて、悩んだ結果、隣の各駅停車に乗ることにした。

京都に帰るには少なくとも30分ほど電車に乗らなければいけなくて、そのあいだ体調が悪くなったらどうしよう、とかどうやったら大阪を脱出できるだろう、とか考えて強いプレッシャーを感じて吐き気がひどくなった。

なんとか持ち堪えて摂津市あたりでだいぶよくなって茨木市で快速急行に乗り換えようと思ったらこの時間は高槻市で接続しているようだったので、高槻市まで各駅停車に乗っていく。

だいぶ気分が悪かった状態が続いていたので烏丸から歩いて帰ろうかと思ったけど、疲れていたのでやっぱり大宮で降りることにした。

いい一日だったと思うけど、もうしばらく梅田より南の地域には行きたくない。

*1:DP3 Merrill か FA 77mm F1.8 Limited しか使ったことがない、どちらも望遠

*2:要するに吐きそうだった