この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

恋人が暑さに負けたのか、寝不足のまま京都にきたからなのか、体調を崩して半日看病するということがあった。

熱で朦朧としながら喘ぐ姿を眺めながら、ああ、この人もいつかは死ぬのだな、ということをふと知った。

人間は死ぬ。この人も人間だから死ぬだろう。いつかはわからないけれど、必ず死ぬ。自分も死ぬ。その時がいつになるかわからないが、死ぬときが二人の終わりだったらいいと思う。安価な「文学っぽさ」がある。それくらいねだってもいいと思う。

次の日、熱が下がって回復して動きまわる姿を見て忘れていたけれど、そんなことを考えた、ということを思い出した。

たぶん意識に上がってきてほしくないと考えていたと思う。大切なことだけれども、ずっと考えていたいことではないと思う。

いまは8月で、次に会うときは9月で、その次はきっと10月だろうから、もう次は晩夏で、その次は初秋だ、早い、なんてことを考えていた。

いまは夏で、もうすぐ秋で、冬が来る。冬にはみんな死ぬ。春になってみんな生まれ変わって、夏に輝く。秋はいろんなものの意味を考えてなにかを知るけれど、冬にはみんな死んで忘れてしまう。