カラフル

カラフル

今でもそうなのだが、あまり本を読むという習慣がない。

そんな自分にあって印象に残っている本で、かつ教科書など以外で意欲的に読んだ本のひとつがこの『カラフル』という小説。最近、劇場版アニメ化されていた。

いまでもあらすじをそらで言えるし、展開を鮮明に覚えている。

小学生のとき、この本を読んでいた女の子が気になって、話しかけてみて、この本を紹介された。いまでもあまり本を読むという体験におもしろさはなかなか期待できないのだけれども、そのときは「おもしろそうなやつが読んでいるのだから、そこそこおもしろいのだろう」と考えた。

読み終えたあとで、普段のなにげない会話では到底伝えきれないほどのなにかを知ったような気がした。

もはや「この本」が好きなのではなく、それと共にあった思い出に陶酔しているのだと思う。

高校のときにも「乙一」をすすめてくれた友人がいた。彼女と一度だけピアノをいっしょに弾いて、それでもうこれからそんなにおしゃべりしなくてもいいかな、と思った。

自分にとって本は誰かを知るためのコミュニケーションの火種であり、ひとりで読書するという習慣がまったく身につかない。

だから、たぶん人に勧められないかぎりこれからも本は読まないし、人に勧められて本を知るという喜びだけでもって本に向き合うのだと思う。