悩める時も、健やかなる時も、カマルは共に

この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

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バターチキンとなすのコンビネーション

カマルは京都市中京郵便局の向かいにあるカレー屋さん。インド伝統的な味とも日本の家庭料理の味とも異なる味わい。副菜やソフトドリンクも充実している。

追加料金なしで複数のルーを合掛け (コンビネーションと呼ばれる) できるのが特徴で、自分はいつもバターチキンは固定でもうひとつは気分でいろいろ変えている。

鉄板はバターチキンカレー。辛いのが好きな人はよくビーフカレーを頼んでいるので、得意な人は好きかもしれない。

カマル
〒604-8131 京都府京都市中京区三条東洞院東入ル菱屋町32-1
2,000円(平均)850円(ランチ平均)
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当時の勤め先が烏丸御池近辺で、よくここに外食に来ていた。オフィス街で早く閉まるお店が少なくない中で、お酒を飲まない一人客でも入りやすい雰囲気で、そこそこ遅めの時間まで営業しているので、仕事が捗りすぎて遅くなった時にはよく頼った。

最初に行ったのは2013年の6月。

カマルでジンジャーエールとバターチキンカレーをいただいた。金曜日もカレーだったけど、キーマカレーだったので汁っ気のあるやつが食べたかった。

■ - 『言葉を吐く』

この頃勤めていた会社では昼にまかないランチがふるまわれて、当時は金曜日はカレーのことが多かった。

 

何を思ったかビーフカレー (激辛) とキーマカレー (次に辛い) のコンビネーションを頼んでえらい目にあった。

辛いのそんなに得意じゃないのに。

これがいけなくて、ビーフカレーは想像以上の辛さだった。舌ではなくて喉を焼く辛さ。水をいくら飲んでも足りない。けっきょく SM サイズの半分を食べたところでギブアップした。

■ - 『言葉を吐く』

本当に毎週のように通い詰めている。

 

良い意味で特別さがないというか、気取らずに行けるというか。それでいて「カマルのカレー」の気分にさせられる。単に漠然とカレーが食べたいという気持ちの時に行こうと思わない。カマルに行きたいからカマルに行く。

価格帯は十分庶民的だけれど、自分の中ではご褒美というかやる気をチャージしたり報いる時にカマルでカレーを食べようという気になる。

何度かヨーロッパに出かけて1週間ぶりに帰ってきた時、舌を日本向けに戻したいという時にはカマルに行った。

だから10年くらい勤めた会社を辞めてオンラインで送別会をしてもらうよっていう時に、ちょっと良いものをいただこうかなとも思ったけれど、いろいろ考えてカマルのカレーをテイクアウトした。

良い仕事を成し遂げて祝杯をあげたい時、遅くまでやっているから仕事に熱中して夕食を逃しそうな時の助け船、ひとりで食べたり、同僚と食べたり。

益体のないことも、ちょっと身のあることも、いろいろ話す時間が好きだった。世相が変わって久しく失われてしまったけれど、病める時も健やかなる時もなんともいえない時もぱっとしない時もカマルのバターチキンカレーを食べるのが自分のベンチマークでありご馳走でありいつもの食事であった。

これからも食べに来るだろうし、今日は何も特別ではない人生のただの一日、だからカマルを食べた。

■ - 『言葉を吐く』

何かこれといった特別なエピソードや味があるというわけでもないけれど、カマルで食べたカレーの味も一緒に話した人たちのことも、どれも楽しい思い出ばかりで店に入る前は調子がいまいちでも帰る時には充電されている。そんな常勝無敗のカレーがそこにある。

サンキューです。