特にこれといってわかりやすい差分を出せるわけではないけれど、現役当時よりも視界が開けた気がする。
単に同じ階段を辿り・追い越したというより、新たな道を開拓しているというほうが実感に近い。進歩しているというより開拓しているという表現がしっくりくる。放射状に広がっていくイメージ。
やっぱりレッスンに通ってよかったなあと実感する。最近は仕事で忙しく、平日の練習をサボってしまうことしばしばなのだが、毎週月曜日のレッスンに向けて土日と月曜の昼は必ず練習している。
これがもし毎週のレッスンがなければ楽器ケースを開ける頻度はとても少なくなっていただろう。
他人に聞いてもらえるというのはやはりありがたくて、客観的には一進一退という日々なのだけれども、主観的には一退一退……一進くらいなのでもうちょっと進歩していますよ、ということを指摘してもらえると励みになる。
また先生が意欲的なのもたぶん相性がよくて「こういうやりかたがよさそうと聞いたのでちょっと試しにやってみましょう」ということがちょくちょくある。
一方的に教えてもらっているというより、一緒に実験しているようなかんじがする。
いまの課題曲はFranz StraussのNocturno Op.7.
この動画で演奏しているのは最近ウィーンフィルの首席ホルン奏者になったDavid Cooper.
この人みたいに吹けるとかそういう次元ではぜんぜんないのだけれども、当時は吹奏楽というアンサンブルでしか吹いたことがなかったのでこういう独奏曲を吹くのは新鮮で楽しい。
個人的にはホルンってアンサンブルの中にいるときが最も輝けると思っているのだけれども、ソロも魅力的で楽しい。
口笛や鼻歌では思ったとおりに奏でられるのにホルンで吹くとだめだめ、という状況は相変わらずだけれども、少しずつハードルを上げているのだから当然なのだと言い聞かせている。
実際、吹きはじめのころに練習していた曲とかは今ではとても豊かに吹けたりする。すごいでしょ。
少しずつできることが増えていく、できることが増えて楽しいことが増えていく、という楽しいことばかり、ホルンを吹くの無限に楽しくて仕方がなくてこんなに幸せなことはないなー。