最近読んだ本

この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

掟上今日子の退職願

掟上今日子の退職願

短編集。

リズムよく作品が並んでいて読みやすかったけれども、3つめくらいから段々展開が読めてきてすこし退屈した。

このシリーズは、あまり人が死ぬ話がなかった印象だったのでずっと人が死ぬ話が続いて仄暗かった。

真実の10メートル手前

真実の10メートル手前

『王とサーカス』『さよなら妖精』のシリーズに連なる短編集。この作品の紹介では『大刀洗万智シリーズ』、Wikipedia によると『ベルーフシリーズ』らしい。

短編集だと思わなかったので最初の『真実の10メートル手前』のあっけない幕切れに「あれ?」となった。長編を読むペースでさくさく読みすすめていたので、もう一度読みかえしたらおもしろいかもしれない。

『正義漢』は、ある出来事を文字通り正義感の強い一人称で追う。実に醜悪に、あるいはグロテスクに映るものが実は、というオチは衝撃というほどではないがなかなかシビアでよかった。

『ナイフを失われた思い出の中に』は、『さよなら妖精』のような雰囲気があった。登場人物は成熟しているけれども、地理を意識させながらまるで街を歩いているかのような感覚をもたらすかんじは似ている。

『さよなら妖精』に対する直接的な返歌といってもいい短編であると思う。

全編通して、かなりシビアな話で控え目に言っても読んだあと楽しい気分にはならない。

それでも、『ナイフを失われた思い出の中に』で最も強く表されているような、主人公の誇りと葛藤はそれとなく移入してしまうし、どうにかうまくいきたいな、と思うばかりだった。