京見 - 栗尾 - 裏花背

この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

シルバーウィーク最後の水曜日を前にして、沖島のときの膝の痛みもなくなったことだし、こんなによい気候・時期に自転車で出かけられるのは貴重なのだから、もう一度中距離 (80kmまで) を走ったほうがよさそう、ということで前日に Strava でルートを作った。

京見-栗尾-裏花背-鞍馬 | Strava Route

京見は前よりもタイムがよくなった。まだ先があったので足を残したつもりなので、TT に挑戦するとして16分は切れる状態だと信じたいし、練習して15分は切りたい。

噂の笠トンネルを走ったけど、これはかなり嫌なかんじだった。南からだと緩やかな勾配になっていて一気に走り抜けるにはちょっとつらい。おまけに排気ガスが充満して空気は悪いし、長いので後ろから来る車に怯えていた。

栗尾峠は自転車と歩行者専用になっていて、整備された路面を後ろからやってくる車に怯えることなく走れてとても気持ちがよかった。頂上付近から集落を見下ろすことができ、ここからの風景はなかなか街中では見ることのできないものだった。遠くにゆらぐ集落が夢みたいだった。

笠トンネルを抜けて少しすると、これもまた噂のウッディ京北にやってきた。ここで水を補充するなどして休憩し、花背へ向かう。

気持ちは花背に向いていたが、だんだんと右膝の違和感が戻ってきてR477の20kmほどは永遠かと紛うほど長く感じた……。諦めてリタイヤしようにも輪行する術などないし、そもそも自転車以外に手頃な交通手段がなかったので、粛々と細かく休憩をしながら、最後に裏花背を上りきる体力を温存しながら走った。

ゆるい上りを走り続けて、とうとう裏花背の麓に辿り着いた。花背中学の前でリアルゴールドを買って飲み休憩とする。ストレッチなどをして準備を整えていざ上る。

北側のほうはそれほど勾配はきつくないと言われていたとおり、さほどきつくはなかった。ルートを立てるときにあらかじめ計画していたことだけれども、体力的に一番きついであろう京見を最初に据えて、あとは緩い坂が控えるのみにする、という目論見でいて、それは適った。

しかし、想定しきれていなかったのは、緩い勾配であっても10km近くだらだらと続くと心が折れそうになる。最後の2kmほどは、九十九折から見下ろせる崖を眺めて、「ここを落ちたほうが早く帰れそう」とか考えていた。だいぶメンタルをやられたと思う。

集落にやってきて、ああもう下りは近いな、と思ってからが長かった。さらにそこから九十九折がまた始まって勾配が少しきつくなったりもする。

上るだけの足は残っていたけれどもメンタルが弱ってきて、休憩しようか悩んだけれども、いま足をついたら二度と上れない気がしたので頭の中で知っている料理の名前を反芻したりして、なんとか気が保たせた。

ついにバス停のある頂上に辿りついたときにはへたりこんでしまうくらい、メンタルもフィジカルも疲弊していた。

さらに悪いことに、あとは下って帰るだけだと走り出したら、上りと同じかそれ以上にひどい九十九折で、しかも勾配はずっときつい。ブレーキを離すとすぐにスピードが乗ってしまう。重心を後ろにできるだけ寄せてもスピードは出る。

九十九折できついカーブが続くのでブレーキをよくかけながら下りていくが、路面が悪いのと勾配のきつさからほとんどかけっぱなしになっていくし、日が落ちてただでさえ冷える峠がさらに冷え込み、指先を始めとした体が冷えていって、だんだん握力が薄れていく。

なぜか眠くなってくるし握力もなくなっていくけど、意識も握力もどちらかでもなくせば崖から落ちるか九十九折の壁面にぶつかるかして死ぬことは見えていたので、無心で下っていった。

鞍馬温泉の看板まで降りてきたときは、本当に生きて帰ってこれてよかったと安堵したし、本当は温泉に入っていきたかったけど、用意もしてなかったしもうすぐ閉まりそうだったので諦めた。



  • Keep
    • 初挑戦の峠を3つ走り切った
    • あらかじめルートを作ってそれを走破する実績解除
  • Problem
    • ウィンドブレーカーが必要だった
    • より安全なブレーキング
    • より安全なコーナリング
  • Try
    • 京見で TT
    • 花背を南から