この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

たまにしか会えない友達と会って少し話をした。本当はもっと話したかったけれど。

ことに最近は自分のことで精一杯で余裕がなく、今日も友達がこっちに来ているから会おうと思いつつも他人と会って話す元気を出し切れなくて迷っていたくらいで、冷静に考えれば遠く離れた地に移り住んだ友達と話せる機会はそうないのだからせっかくの機会を無碍にするわけにはいかない、というくらいのことは考えられるはずなのにどうにも煮え切らなくて、それくらい余裕がなくて自分のことにしか頭が回っていなかった。

友達がいることに気付かずに通り過ぎかけた自分を見た友達は、お酒を飲んでいたことも手伝ったのだろうか、おかしそうによく笑って、それがなんだか「自分に会えて嬉しくて笑っている」ように見えて嬉しくも後ろめたい気持ちになった。

思い返すと実に他愛がないというか、他人行儀なことしか話さなかったように思えるけれど、たまにしか会えない友達の変わりない顔を見れてそれだけでなんだか嬉しかった。

自分の知らない地でまったく知りえない生活をしている友達のことを考えて、ちゃんと誰かが生活していることを考えて、どうにも感傷的になった。

今度は自分から会いに行こう。