PENTAX K-1がやってきて1ヶ月

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ハイライトがよく粘るので撮影時に露出補正することや現像時に手を入れることが少なくて勝手がよい。輝度差の大きい被写体に目を向けてさっと撮れるようになった。

AEもK-3より安定しているように思う。白の面積が大きいときにオーバー気味になることが多くてマイナス補正することが多かったのに比べて、露出補正はほとんどせずに済んでいる。

少なからずAPS-CのK-3より大きく重くなっているけれども鞄に入れて持ち歩く限りにおいてあまり差を感じない。付けるレンズのほうがよっぽど支配的である。

手にしているだけでどんなものを撮ろうかとわくわくするし、実際なんでも撮れそうで楽しいし、日が落ちてからもスナップ撮影できるのは素敵なこと。

テンポよく撮るには手ぶれとピントに対する不安要素を取り除くことが重要で、手ぶれ補正と高い高感度性能は大きく寄与している。

D FA★ 70-200mmの画質もさることながら手ぶれ補正がよく効くので鉄道とか飛行機とか撮ってみたいなと思わせられる。

PENTAX K-1が発表されるまでいろいろ悩んだけれど、そのカメラで撮りたい気分になるかどうかこそがカメラの機動性だなあと思う。

HD PENTAX-D FA★ 70-200mm F2.8 ED DC AW

尾道に行って改めて望遠側に対する興味が増してきて、次に買うレンズとして見定めていたけど高いので躊躇していた。 ボーナスが出たら考えようかと思っていたけれど、今は連休中だし良い季節でもあるので善は急げの精神で買った。

前もって計画を立てずにこんな高額な買い物をしてしまうなんてどうかしていると思ったけど、それくらいPENTAX K-1で撮るのが楽しい。 K-7がやってきて初めて一眼レフを手にしたときのような、とにかく撮った写真に一喜一憂できる感じ。

連休中だしすぐに手元にほしかったので事前に調べて最安値だった大阪駅の八百富写真機店で買った。勇んでやってきたもののディスプレイを前にすると変な汗をかいて口が渇いて大変だった。 帰りの電車は方針状態だったけど、箱から出してK-1につけてみるとかなり大きいんだけどその組み合わせのかっこよさにニヤついた。

PENTAX K-1とD FA★ 70-200mm

写り

事前に調べていたとおりとてもよく写る。やってきてから2日ほど撮ってみた程度では、逆光に強いし諸収差も目立たない。

ズームは初めてだけど、良い意味でズームであることを意識させられない。70mm, 100mm, 135mm, 200mmの単焦点を持ち歩くような感覚で使える。 実際にズームするときはこれらのキリがよい焦点距離のいずれかにしている。

ただ135mmは気持ちの上であって、EXIFには130mmか140mmと記録される。おそらくズームが10mm単位なのだろう。

使い勝手

DCモーターでAFは静か。静かなところでAFを作動させるとSDMとは違う音が聞こえる。

単焦点を使うときにAF測距点をゾーンで指定していたが、このレンズの場合は点のほうが使いやすいと思う。 このレンズはというより望遠なら、か。望遠で撮るのが初めてなので勝手がまだよくわからない。

ボディから被写体に向かってフォーカスリングがあり続いてズームリングがあり、フォーカスリングが重心よりややカメラ寄りになっている。 手持ちでフォーカスリングを回してMFするのは少し難しそう。

単焦点ばかり使ってきたので、とにかく大きくて重い。しかし脇を締めて肩幅程度に足を開き若干斜めに立つ基本的な姿勢を守れば大して筋力がなくてもわりと安定する。

インナーズーム、インナーフォーカスなので鏡筒の長さがズーム全域で不変のため勝手がよいのも嬉しい。

PENTAX K-1の手ブレ補正がよく効いているのか手持ちでもほとんどブレない。 とはいえ望遠端の200mmにもなるとファインダー像がかなりブレて撮影しづらい。

カメラと併せると3kg近くになりとても重いが、右手だけで持ち歩いてもさほど重さを感じない。 グリップに右手の指を引っ掛けるようにすると楽に持てる。むしろレンズを横にして両手で持つほうが疲れる。

PENTAX K-1 + D FA★ 70-200mm in Acru Mini Bono

K-1に付けた状態でフードを逆に付ければ普段使っているAcru Mini Bonoにも入る。しかし仕切りは外さないといけないし他にほとんど荷物は入れられない。 他に交換用のレンズを入れようにも付属のソフトケースに入れるとかなりかさばるので難しい。 別の鞄を使うか、レンズはこれだけと割り切るしかなさそう。

三脚座の外し方がわからなかったがLOCKと書いてあるつまみを押し込むと脱落防止機構のロックが外れるという仕組みになっていた。 三脚座だけで数百グラムあるし普段は三脚を使わないので外しておくことにしている。

感想

いままで買ったレンズの中で最も高くて大きくて重くて、K-7を買ったときはまさかこんなレンズを買うとは思っていなかった。

普段は単焦点しか使わないけれどそこに並んでも納得できる写り。

望遠の画角が初めてということもあるけれど、大きくて重いという欠点に目を瞑れるくらい撮っていてとにかく楽しくなる。

あまりによく写るし画角に慣れていないことも手伝って自分の腕が上がったような錯覚に陥りがちなので、しばらく重点的に使ってレンズに撮らされる状態を脱してものにしたい。

PENTAX K-1を使って思うこととか

OVF内の電子水準器が見づらい

K-3までは電子水準器が露出補正値のインジケータと兼用で像の外側に表示されているので像自体と混同することはなかった。

K-1のVF内の電子水準器は透過液晶を利用して像の中に表示されるようになったため、夕暮れ時や暗い被写体の場合は判別しづらい時がある。

露出補正と独立しているので露出補正値と同時に確認できるとか、水平あるいは鉛直が出ている場合は表示が変わる *1 とか、おおむね改善されていて歓迎できるんだけど。

SDカードは64GB以上がほしい

SanDiskの32GBのカードを使っているが、これだとRAWで保存する場合は400枚程度までとなる。一泊二日だと心許なく急遽ヨドバシで32GBのSDカードを買い足した。

フラッシュメモリが劣化するよりも自分がSDカードの管理をできなくなる未来が濃厚だし先にやってきそうなので、より容量の大きなSDカード一枚で済むというのが理想といえる。

そういう意味では64GB以上がほしい。しかしSanDiskのExtreme Proは高くて悩む。並行輸入品だとかなり安い。というかK-1購入前に悩んだけど一日は保つし旅行しなければ問題ないということでAmazonで買うのをやめたけど甘かった。ヨドバシで32GBで7000円だったけどその値段出せばAmazonで64GBが買える。

標準ズームがほしい

広島と尾道を歩きまわってみて、信頼のおけるレンズだけが手元にありそれらすべてを満足に使えてよかったものの、レンズ交換は大変だった。風が強いと気を遣うし、そうでなくともけっこう手間なものだ。

使っているレンズケースが付属のもので、特にFA Limitedのケースは革製で高級感があるけど実用的にはDAシリーズのナイロン製のケースが柔軟だし口が広いので取り出しやすい。

なのでズームレンズがあるといいなあ、といまさらズームの便利さにありがたみを感じるようになった。使ったことはないけれど。

純正で現行だと24-70mm F2.8か28-105mm F3.5-5.6のどちらかになる。

PENTAX ズームレンズ HD PENTAX-D FA24-70mm F2.8ED SDM WR 21310

PENTAX ズームレンズ HD PENTAX-D FA24-70mm F2.8ED SDM WR 21310

魅力的な点としては:

  • 24mmスタート
  • 大口径 (F2.8)
  • F値固定
  • 写りはよさそう
    • 近景、遠景
    • シャープさ
    • ボケ

★ではないけれどもいわゆる大三元ズームのひとつで、単焦点ほどではないにしろ便利さと写りのバランスという意味ではだいぶいいのだと思う。

特に24mmスタートは魅力的。単焦点でこのあたりの焦点距離のレンズはほとんどない *2 ので貴重。

持っているレンズは31mm, 55mm, 77mmなのでだいたい使う画角をカバーしてくれるというのも大きい。

一方で気になるのは:

  • 大きい
  • 重い
  • 高い
  • 望遠端が手持ちの77mmより短い

……くらい。K-1単体でそれなりの大きさと重さであるものの今のところ楽しく撮れているのは買った直後という話を抜きにすれば、写りに対してコンパクトな単焦点で撮っているからだろう。

これが35mm判で一般的な標準ズームの大きさと重さになったときに同じように持ち出せるかというとおそらく難しい。けっきょく持ち出さなければ意味がない。

15万もするなら単焦点を買い足して撮れる画角を広げるほうがいいなあと思う。

28-105mmの魅力的な点は:

  • コンパクト
  • まあまあ安い (7〜8万くらい)
  • 望遠側に長い (被っていない)
  • 価格のわりに写りはよさそう
    • 特にシャープさ

……といったところ。APS-C専用の高倍率ズームである18-135mmを一回り大きくした程度の大きさはすごい。実際に手にとってみたけれどもこれくらいなら鞄に入れておいても苦にならなさそう。

望遠端が105mmまであるのもポイントが高い。やっぱり100mm以上の画角が好きになっていたんだなあと気付かされたので、いずれにせよ揃えたいとは思っている。その画角を標準ズームがカバーしてくれるのは大きいところだろう。

対して悩まやしいのは:

  • F値が暗め (F3.5-5.6)
  • 広角端が長めかつ、手持ちと被り気味 (28mm)

という点か。明るい単焦点しか使ったことないので望遠端でF5.6とか、被写界深度の浅さで整理するという手法がとれなさそうで悩む。

31mmとかなり近いのも気になる。GXRも持っているし。24-100mm F4だと買ったかもと思いつつ、これくらいのスペックのCやNのズームはあまり評判がよくないので必然と写りは28-105mmより劣るかもしれない。

サードパーティ製だとTAMRONの28-75mm F2.8なんかがあってとにかく安いし写りはそれなりというかんじだけど、24mmスタートじゃない点が気になる。画角という要素は自分にとって重要なのかも。

ズームレンズの価値は複数の画角を一度に得られることであり、その点では28-105mmは単焦点で考えると100mmが増えたに過ぎない。だったら100mmを買い足すのでいいじゃん、となる。

であればやっぱり24-100mmが求める標準ズームかもしれない。多少歪曲があっても、よほどひどい陣笠型でもなければLightroomで補正できるし、最低2つは手持ちの単焦点にない画角がないと魅力的じゃない。

望遠がほしい

FA 77mmが写りはそのままに画角はAPS-Cで使うDA★ 55mmに近い使い勝手のよいものになって重宝する一方で、APS-Cで使っていたときのより圧縮効果の強い画角がほしくなることも多い。

望遠レンズの圧縮効果による傍観するような客観的な写りが好きになってきたので少し寂しい。

で、PENTAXからD FA★ 70-200mm F2.8というズームが出ていて次はこれを買おうかなと思っている。

D FA 100mm F2.8 MacroとかFA 43mm F1.9 Limitedも欲しいといえば欲しいけど、そんなにマクロ撮影したいということもないし、写りと得られる画角のカードの広さを考えると70-200mmはかなり気になる。

しかし高いのでおいそれとは変えない。大きくて重いし、そもそも今使っているAcruのバッグには入らない。

尾道で橋なんかを撮りながらもうちょっと引き寄せられる望遠がほしいなと何度も思ったし、APS-Cを使っていたときから気になっていた画角なのでお金をどうにかできたら買っちゃうと思う。

*1:【】みたいなかんじ

*2:SIGMAの古い単焦点やFA☆はあるけれど、逆光に弱かったり生産終了していたりと候補へ上がるには至らない

PENTAX K-1がやってきた

https://www.instagram.com/p/BExMuC_i0Uy/

ついにやってきた。長かったな〜。

CP+にもタッチイベントにも行けず、おまけにリコーイメージング大阪は平日のみの営業で、けっきょく実機を触ることなく予約・注文して時が経ち、届いた今日この瞬間に初めて手にした。

狐の嫁入りという風で雨が降ったり止んだり忙しく、また午前中指定の配達を意識してなかなか眠れなかったので少し昼寝してから夕方に京都御苑へ出かけて200枚ほど撮った。1日も経っていないけどかなりワクワクして待っていたカメラなので感想を書いておく。

見た目

開けてみるとあまり目新しいかんじはしなかった。写真でよく見ていたし、K-3やK-7を踏襲したスタイルなので良い意味で慣れたかんじ。

気になっていたサイズと重さは、意外と大きく感じた。期待が高すぎたかもしれない。とはいえ横幅はK-3と同じくらいで高さと奥行がフルサイズというかんじ。重さはグリップがしっかりしているからか、両手で持ってみるとまあまあ重いが、撮るときには気にならない。

後ろから見ると少しずんぐりしたシルエットで量販店で見たNikon Dfに似ているような気もする。ペンタ部は特にかっこいい。

操作系

ボタンなど操作系はK-3から大きく変わっていないけど、ちょくちょく配置が変わっている。K-3は再生ボタンが左側にあったりあまり合理的ではなかったけれども、K-1では右に測距点選択ボタンや再生ボタンが配置され、ライブビューへの切り替えボタンは左側に移動された。

動画と静止画の切り替えスイッチがスマートファンクションダイヤルの下に移動していてとてもよい。静止画から動画へ切り替えるスイッチが背面のいい位置に置いてあるのはDSLRとして非合理的だしダサすぎた。

電源を入れてから起動 (ダストリムーバルが作動するまで) がK-3より長くなっているような気がする。気のせいかもしれない。

ファインダー

OVF至上主義というほどではないけれども、量販店でちょっと触った程度ではまだEVFは自分には合わないなというかんじ。かといってOVFの進化は頭打ちと目されていて、自分もあまり期待はしていないしいなかった。

ではK-1のOVFはどうだったかというと、透過液晶を採用して有用な情報を表示しOVFのウィークポイントを着実に潰しておりOVFを採用したDSLRの王道という印象を抱いた。

ファインダー内に表示する水準器が水平方向だけではなくあおり方向も追加されたのが嬉しい。露出補正のインジケータから独立したのもよい。というかK-3まで混在していて非常に見づらかった。

ファインダーがかなり暗く感じる。MFでそんなに困らなかったので今のところは暗いなという気分の問題だけど。

K-1とは直接関係のない話だけれども、OVF VS EVF的な話で、一般的にEVFのメリットのひとつとされるWBや露出補正のリアルタイムな反映というのはメリットに感じないなと思いつつある。撮影対象によってビューファインダーに求められる要件・性能は変わってくるだろうが、PENTAXならばデジタルプレビューが備わっているし、そうでなくともデジタルカメラであればブラケット撮影を行って背面モニタで確認するといったことはOVFのカメラでもできた。

WBや露出補正、(PENTAXでいうところの) カスタムイメージを反映するとピントが掴みづらくなることが懸念されるし、消費電力が大きいというのはまだ気になる。

一方でEVFとほぼセットの概念となっているいわゆるミラーレス構造はレンズ設計など前方互換の面で優位に立つかもしれない。なのでPENTAXが後方互換をアピールするのはファンを慮るといったこと以上のPR上の意味はありそう。

フレキシブルチルトモニタ

背部液晶が動くカメラを初めて手にしてみたところとても便利だった。アイレベルが低い撮影は腹ばいになる *1 などすればどうにかできたけれども、手持ちでハイアングルから撮影するときはけっこう無理があったのでとても助かる。

モニタ位置の固定もしっかりしてちょっと振るくらいでは動かなさそう。

スマートファンクション

説明書などまったく読んでいないけど、露出ブラケットに設定するとダイヤルを回して露出量は設定できるが、そもそも露出ブラケットをしないように設定することはできないのか気になる (十字キーで直接露出モードを設定して露出ブラケットをオフにした)。

そのほかの機能についてもグリーンボタンが使えないので実用的と感じる機能は、Grid, Wi-Fi, Cropくらいかなあと思う。逆に言えばスマートファンクションで設定可能な機能にもグリーンボタンが適用できるようになるとかなり使い勝手は増すように思う。露出補正とISO感度に対して同時にグリーンボタンが使えたらかなり便利だと思う。

写り


  • FA 31mm F1.8 AL Limited
  • DA☆ 55mm F1.4 SDM
  • FA 77mm F1.8 Limited

の3本を持ち出して撮ってみた。

フルサイズなのでAPS-Cより被写界深度が相対的に浅くなって、F4でこんなにボケるのか! と感動した。

高感度がけっこう使えそうで帰り道はもう日が暮れて暗かったけれども気兼ねなく絞れるのでスナップ的に撮るのに不自由しない。Lightroomのノイズリダクションの性能を考えてISO autoの上限は12800まで上げた。

写りはかなりシャープで驚いた。シャープなんだけどK-3とはまた違う気がする。草や蜘蛛の巣のような細いものは、K-3だと痛いような切れ味のあるシャープさだったけど、K-1は余裕があって自然なシャープネスだった。

単に階調がよく残っていてトーンジャンプが少ないので自然に見えるという話かもしれない。

36MPのフルサイズということで現像するのも一苦労かと思ったけど大したことはなかった。K-1で撮ったRAWのほうがサクサクプレビューされるのは気のせいなのか。

持っているレンズは変わっていないのに画角が広角よりにシフトして印象がかなり変わった。と同時にFA 77mmで楽しかった110mmくらいの望遠の画角がほしいなと感じてきた。D FA 100mm MacroとかD FA☆ 70-200mmとかいいな、なんて考えはじめてしまって怖い。

感想

機能が増えたり強化されたりしたものの、操作系はよく練られていてPENTAX K-3を使っていた身からすると、ちょっと大きくなって帰ってきたくらいの感覚で使えるが、階調などの点であきらかに「ちょっと」ではない違いを見出しつつある。

既によく手に馴染むかんじがあるので、これから長いこと付き合っていけるカメラになる予感がする。

*1:したことはない

PENTAX K-7 と K-3 を売った

正確には発送しただけでまだ到着して売買は済んでいないので「手元を離れた」くらいが正しい。

そう、とにかく自分の手元から二台のカメラが去っていった。あと K-7 と一緒に買った DA 35mm F2.8 Macro Limited というレンズも売った。

カメラを売るのは初めてじゃないけれども、こんなに使い込んだものを手放すのは初めて戸惑ってしまうくらい感傷的になっている。

K-7 は5年前に初めて買った DSLR で K-3 を買うまで2年半くらいのあいだずっと持ち出して写真を撮っていた。カメラの扱いもよくわからなかったのでかなり手荒に扱っていたなと今になって思う。
しかし壊れるどころか動作不良などを起こしたことは一度もなく、本当に信頼のおける手足というに相応しかった。

カメラは精密機器であるものの、けっきょく写真を撮る道具なのでこれを果たすために持ち出すにあたって神経質になりたくない。そういうわがままに応え続けてくれた。

ちょうど大阪に引っ越す前に買って、ずっと家の周りの河川敷や遊びに出かけた梅田や京都、広島で写真を撮るときはいつもこれだった。重いと思うこともよくあり、うんざりしたこともあったけど、けっきょく持ち出して撮った写真を見たら何も言えなくなる。

K-3 は初めて新品で購入したカメラだった。24MP になって Lightroom で拡大したりするのがあきらかに時間かかったりして、画素が増えたな〜なんて牧歌的な感動をおぼえたことはよく覚えている。

少し古びたところがあると感じていた K-7 からだいぶ進化して自分の用途においてほとんど不満のないカメラだった。

  • 暗所における AF
  • デュアルスロット
  • 被写体・条件によって ISO 1600 程度まで許容できるようになった高感度性能

などなど。

多少カメラの扱いというものを知ってから手にしたカメラだったので、いくらか丁寧に扱うようになり、実際手放すまでまあまあきれいだったのではないかと思う。

K-3 は三脚立てて月食を撮ってみたり、撮り鉄みたいなことをしてみたり、基本的な性能のよさに触発されていろいろ技法を学べたし、実際ここ1年くらいは成長できたというか視野が広がったなという実感を持てている。

じゃあなんでこれらカメラを手放してしまうのかといえば、使わなくなるから。

過去の経験から、よっぽどカラーが異なるわけでもなければ自分はサブ機なんて扱えないということがわかっているし、なんだかんだいって新しいカメラに慣れたあとだとそれまでのカメラは色褪せて見えてしまうだろうと思う。

実際、帰省してから感傷だけで K-7 と DA 35mm で写真を撮ったら、目が覚めるというか、細かい使い勝手が違うこととか遠景がしゃっきりしないな、とか、目に見えて劣っている点に目がいってしまう。もちろんそれだけじゃないんだけど。

あと重要な点として、K-1 は高いので元手がほしい。

K-3 も K-7 もいいカメラなので、どうか他の人にもらわれて使われてほしい。