ついにやってきた。長かったな〜。
CP+にもタッチイベントにも行けず、おまけにリコーイメージング大阪は平日のみの営業で、けっきょく実機を触ることなく予約・注文して時が経ち、届いた今日この瞬間に初めて手にした。
狐の嫁入りという風で雨が降ったり止んだり忙しく、また午前中指定の配達を意識してなかなか眠れなかったので少し昼寝してから夕方に京都御苑へ出かけて200枚ほど撮った。1日も経っていないけどかなりワクワクして待っていたカメラなので感想を書いておく。
見た目
開けてみるとあまり目新しいかんじはしなかった。写真でよく見ていたし、K-3やK-7を踏襲したスタイルなので良い意味で慣れたかんじ。
気になっていたサイズと重さは、意外と大きく感じた。期待が高すぎたかもしれない。とはいえ横幅はK-3と同じくらいで高さと奥行がフルサイズというかんじ。重さはグリップがしっかりしているからか、両手で持ってみるとまあまあ重いが、撮るときには気にならない。
後ろから見ると少しずんぐりしたシルエットで量販店で見たNikon Dfに似ているような気もする。ペンタ部は特にかっこいい。
操作系
ボタンなど操作系はK-3から大きく変わっていないけど、ちょくちょく配置が変わっている。K-3は再生ボタンが左側にあったりあまり合理的ではなかったけれども、K-1では右に測距点選択ボタンや再生ボタンが配置され、ライブビューへの切り替えボタンは左側に移動された。
動画と静止画の切り替えスイッチがスマートファンクションダイヤルの下に移動していてとてもよい。静止画から動画へ切り替えるスイッチが背面のいい位置に置いてあるのはDSLRとして非合理的だしダサすぎた。
電源を入れてから起動 (ダストリムーバルが作動するまで) がK-3より長くなっているような気がする。気のせいかもしれない。
ファインダー
OVF至上主義というほどではないけれども、量販店でちょっと触った程度ではまだEVFは自分には合わないなというかんじ。かといってOVFの進化は頭打ちと目されていて、自分もあまり期待はしていないしいなかった。
ではK-1のOVFはどうだったかというと、透過液晶を採用して有用な情報を表示しOVFのウィークポイントを着実に潰しておりOVFを採用したDSLRの王道という印象を抱いた。
ファインダー内に表示する水準器が水平方向だけではなくあおり方向も追加されたのが嬉しい。露出補正のインジケータから独立したのもよい。というかK-3まで混在していて非常に見づらかった。
ファインダーがかなり暗く感じる。MFでそんなに困らなかったので今のところは暗いなという気分の問題だけど。
K-1とは直接関係のない話だけれども、OVF VS EVF的な話で、一般的にEVFのメリットのひとつとされるWBや露出補正のリアルタイムな反映というのはメリットに感じないなと思いつつある。撮影対象によってビューファインダーに求められる要件・性能は変わってくるだろうが、PENTAXならばデジタルプレビューが備わっているし、そうでなくともデジタルカメラであればブラケット撮影を行って背面モニタで確認するといったことはOVFのカメラでもできた。
WBや露出補正、(PENTAXでいうところの) カスタムイメージを反映するとピントが掴みづらくなることが懸念されるし、消費電力が大きいというのはまだ気になる。
一方でEVFとほぼセットの概念となっているいわゆるミラーレス構造はレンズ設計など前方互換の面で優位に立つかもしれない。なのでPENTAXが後方互換をアピールするのはファンを慮るといったこと以上のPR上の意味はありそう。
フレキシブルチルトモニタ
背部液晶が動くカメラを初めて手にしてみたところとても便利だった。アイレベルが低い撮影は腹ばいになる *1 などすればどうにかできたけれども、手持ちでハイアングルから撮影するときはけっこう無理があったのでとても助かる。
モニタ位置の固定もしっかりしてちょっと振るくらいでは動かなさそう。
スマートファンクション
説明書などまったく読んでいないけど、露出ブラケットに設定するとダイヤルを回して露出量は設定できるが、そもそも露出ブラケットをしないように設定することはできないのか気になる (十字キーで直接露出モードを設定して露出ブラケットをオフにした)。
そのほかの機能についてもグリーンボタンが使えないので実用的と感じる機能は、Grid, Wi-Fi, Cropくらいかなあと思う。逆に言えばスマートファンクションで設定可能な機能にもグリーンボタンが適用できるようになるとかなり使い勝手は増すように思う。露出補正とISO感度に対して同時にグリーンボタンが使えたらかなり便利だと思う。
写り
- FA 31mm F1.8 AL Limited
- DA☆ 55mm F1.4 SDM
- FA 77mm F1.8 Limited
の3本を持ち出して撮ってみた。
フルサイズなのでAPS-Cより被写界深度が相対的に浅くなって、F4でこんなにボケるのか! と感動した。
高感度がけっこう使えそうで帰り道はもう日が暮れて暗かったけれども気兼ねなく絞れるのでスナップ的に撮るのに不自由しない。Lightroomのノイズリダクションの性能を考えてISO autoの上限は12800まで上げた。
写りはかなりシャープで驚いた。シャープなんだけどK-3とはまた違う気がする。草や蜘蛛の巣のような細いものは、K-3だと痛いような切れ味のあるシャープさだったけど、K-1は余裕があって自然なシャープネスだった。
単に階調がよく残っていてトーンジャンプが少ないので自然に見えるという話かもしれない。
36MPのフルサイズということで現像するのも一苦労かと思ったけど大したことはなかった。K-1で撮ったRAWのほうがサクサクプレビューされるのは気のせいなのか。
持っているレンズは変わっていないのに画角が広角よりにシフトして印象がかなり変わった。と同時にFA 77mmで楽しかった110mmくらいの望遠の画角がほしいなと感じてきた。D FA 100mm MacroとかD FA☆ 70-200mmとかいいな、なんて考えはじめてしまって怖い。
感想
機能が増えたり強化されたりしたものの、操作系はよく練られていてPENTAX K-3を使っていた身からすると、ちょっと大きくなって帰ってきたくらいの感覚で使えるが、階調などの点であきらかに「ちょっと」ではない違いを見出しつつある。
既によく手に馴染むかんじがあるので、これから長いこと付き合っていけるカメラになる予感がする。
*1:したことはない