クロアチアその3

この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

前日の夜は小雨が降ったり止んだりとぐずついていたが、早朝、ものすごく強い風の音で目が覚める。
雨は降っていないけどとにかく風が強くて窓や鉄板がバタバタする音、木々のざわめきがホテルの中庭に響く。

その割には雲行きは暗くなく幸先がよさそうで、変な天気だなあと思った。
日本だとそんなに風が強いと雲は暗く重たく、ほぼ確実に雨が降る。

Zagrebは、正直なところ、昨日の時点でほとんど見たいところをまわりきったので、あとは郊外まで足を延ばすかというところだけど、午後に飛行機も控えていることなので部屋で休み休み支度をしてゆっくり出ることにした。

チェックアウトの手続きをしようとしたらやけに手間取っている先客によって10分くらい待たされた。
ホテルのスタッフも心なしかうんざりしていた気がする。

一段落してから「お待たせ(やれやれ)(苦笑)」と声をかけられたので確かではないか。

相変わらず外は風が強い。口の中がジャリジャリする。

昨日とは違う道を通ってJelačić広場に出る。もう一度大聖堂の方を通って博物館を目指す。

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途中近道するために通りがかった公園の日陰が思いの外に気持ちよかったので少し休憩。
昨日より風があるのでだいぶいいけど、日差しがかなり強いので気温以上に暑く感じる。

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細い階段を上り下りして市立博物館に。

やけにフレンドリーなお姉さんが「見学?!こっち!博物館見るならそこのコーヒー自販機も使っていいよ!」って話しかけてくれる。

チケットを買うときも「学生?(違います)OK, (ぐるっと廻るとここに戻るから)またここで会いましょう」と、やはりフレンドリー。

しかしこっちに来てからしょぼい英語リスニングとしょぼい英語スピーキングで(勝手に)惨めな思いをしていたので、やけに朗らかなお姉さんにちょっと気持ちが明るくなった。

博物館は市立だけあってZagrebを中心に都市の歴史と風俗を紹介する内容。

自分の他に誰もいなくて、静まり返った異国の博物館でひとり歩くのはなかなかゾクゾクした。

旧石器時代の痕跡から始まり、20世紀までに至る。
最初の旧石器時代の話の直後、当時の洞窟?を模した展示がありその中央に通路があって通るんだけど、影だと思ったら当時の人々を模した黒塗りの模型で変な声が出そうになった。

おもしろいんだけど説明は当然クロアチア語か英語で、おまけにキリスト教(宗教)関連の語彙がまったくないのでGoogle翻訳に頼りながら読んだのでかなり時間がかかった。
(よく出てくるcanonsは明らかに可算かつ人間ぽい主語をなしていてよくわからんなあと思っていたら聖職者だった)

地上階から1階まで見て、あと1フロアだったけどもう正午だったので切り上げた。

Zagrebについて知識がなかったのでまあまあ試したけどリーディングにかかる時間を考えるとよほど暇じゃなかったら見なくてもいいかな……。

南に下って昼食を食べようと思ったけど入口が違うみたいなことを言われてすごすごと諦めた。
結果論としてはここで昼食を食べていたら空港へ向かうバスが厳しかったのでこれでよかった。

トラムに乗ろうか悩んだけど、バスターミナルまで行くにはどうしてもJelačić広場から乗る必要があって、混んでいそうなので諦めた。

なのでJelačić広場からてくてく歩いていく。30分くらいならいけるいける。

これくらいの時間になると風は穏やかになっていた。
日差しは相変わらずきつい。

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バスに乗って空港に到着。出発ロビーは初めて。
綺麗だけど密度は低くて数百m離れた保安検査エリア入口まで歩いていく両サイドにはカウンターが並んでいて花道っぽかった。
華々しさはまったくないけど。

国内線なので出国・入国審査もなく保安検査だけでゲートまでやってくる。
クロアチア内部の人間ではないので変なかんじ。

ゲート前のキオスクでサンドイッチを買って食べる。
170gあってボリューミー。白い無味のチーズが挟まっている以外は日本で食べるのとさほど変わらない味付け。

ゲートを通るときの航空券チェックで荷物にDelivery at Aircraftと書かれたタグを巻かれた。
調べたけどいまいち意味がわからなかった。

持ち込み手荷物を表していたのかと思ったけど他の人にはつけていなかった。

Dubrovnik行きの飛行機はプロペラ機でとても小さい。席の隣はなんとキャビンアテンダントだった。

シフトが終わってそのままDubrovnikに行くのだろうか。

前の席の兄ちゃんの激しく音漏れして聞こえるトランスをBGMに小説を読んでいたらすぐに着いた。

しかし離陸も着陸もかなり揺れたし風に煽られたし大丈夫なのかクロアチア航空。

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Zagreb離陸直後。オレンジの屋根が多い。

空港に着いて到着ロビーでバスのチケットを買ったときの受付のお姉さんがめちゃくちゃ美人で密かにテンションが上がっていた。
ザ・スラヴ美人という雰囲気の顔立ちで愛想もよくてDubrovnikはいいところだな……と思った。

バスに揺られながらふと左手を見るとだんだん山あいからアドリア海が見えてきて気分も高まる。

旧市街に近づいてからは渋滞でのろのろだった。

実際着いてみると人は多いものの、広いので歩くのに困りはしない。

門をくぐると写真でよくみたつるつるした石畳で、見たことある!って言いながらPlaca通りに出た。

いや、この感動はすごかった……。写真で見るより広々としていた。

来る前はなんか疲れたしちょっと旧港を見て適当に夕食食べたらホテルに戻って休もうかな……とか考えていたけど、足をおろしてからはこうしちゃおれんと旧市街を歩き回る。

城壁は明日のお楽しみにすることにして、地上をひたすら歩きまわることにした。

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😜

前から行きたかったDolce Vitaでジェラート。レモンとバニラ。レモンはラムネソースみたいなのがかかっていて、さっぱりめのレモン味にいいアクセント。

中国人のおばちゃんグループが席に座りたそうにしてExcuse me? Can we sit?と声をかけられてOKと言いつつ席を立とうとしたらそこまでは、と言われたので空のカップを見せたらoh~! Thank you.と言いながら招き手をしていた。
あのおばちゃん仕草は万国共通なのだろうか。

それからぐるぐるまわりつつ写真を撮っていたらお腹も空いたので夕食をとることに。

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アドリア海沿岸に来てアジア風のカレーかよという感じですが、そういうこともある。
明日も明後日もある。

ここの店員さんは親切で、支払いの時に現金かカードどちらにしますか?と聞かれてちょっと考えていたら、ごめんね勘定持ってきます、とすぐに持ってきてくれた。

店の看板犬のスレッシュ(と聞こえた)がうろうろしててかわいかった。

夕食も食べて満足したので帰るかと思い、ツーリストインフォメーションでDubrovnik Cardを買った。

3日でバス10回まで乗れる、城壁などが無料で入れるということでまあまあお得ではないか。

バス停に名前などないしアナウンスもないので、勘で最寄りのバス停を推定し素早く降車ボタンを押すという、バスの嫌いなところを全面に押し出した締めのイベントも、Google Mapsのお陰で無事最寄りのバス停で降りられた。

ホテルまでの道のりはリゾート地というかんじでオープンカフェでゆったりお酒を飲んでいる人が多かった。昼間のZagrebとはまた違う雰囲気。

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🐟

Google Mapsを見て薄々気づいていたけど、ホテルの目の前に人もまばらな海辺があることに気がついて、日没までしばらく写真を撮ったりのんびりした。

夕陽が沈むアドリア海を眺めながらここにきてよかった……としみじみ思った。