この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

大阪に引っ越した直後、青春18きっぷを使って尾道まで出かける予定を立ててから「これはきっと特別なできごとになるはずだからいい写真をたくさん撮っておこう」という屁理屈を立ててローン (6回) を組んで FA 77mm を買ったのだった。

当時、アルバイトは始めていたけれども、毎月の生活費はかなり苦しかった中で更なる債務を重ねてとてもつらかった。買って後悔はしてないけれど、その機があの時だったのかはわからない。

とはいえこのレンズでたくさん心動かされるものを撮ったし、好きな人のこともたくさん撮った。

Google Photos に位置情報を推定して付けるという機能が追加されたのでおもしろがって見ているうちに2011年くらいまで遡って写真を見返して、そこで初めてたくさん写真を撮ってきてよかったなあ、と思った。

自分の中にはもうないはずの記憶とか感情が瞬時に入り込んで、でも写真から離れるとまた元に戻る、そんな高速に人格が変わる体験をしたことがなかった。写真の連続性についてあまり自覚的でなかったけれど、大切な感覚をおぼえたような気がする。