この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

ずっと Gmail や Android, Chrome を使っていてだいたい自分の情報のインプットにはまず Google があると言っても差し支えない。

Google は様々な個人情報を様々なかたちで取り扱っている、たいへん稀有な企業だと思う。Facebook や Twitter はメールサービスを持っていないし、検索エンジンも持っていない。

自分も仕事で Web サービスに関わっており、ユーザーの個人情報を様々なかたちで取り扱う折があるけれど、はっきりいって触れたくないもののひとつである。それに触れるリスクが高すぎる。行動ターゲティングに用いるとか、「夢」のあるデータであるということは理解しつつも。

にも関わらず Google は、むしろ積極的に個人情報を取り扱おうとする。もちろん相応のプライバシーポリシーをもって。勇気があると思う。リスクを負ってまで情報を扱いなにかをしたいのだろうと思う。大袈裟に言えばそういう心意気に動かされているようなところがある。

インターネット上の、あるいはオフラインまで含めて、個人情報を誰かに提供しつづけるとどんなことになるのか、という好奇心がある。

Google Now は Gmail の内容を読んで Amazon で購入した商品や Fedex で輸送される商品のトラッキングを表示するようになった。やりすぎだという考え方もあるだろうけれど、自分はたいへんにおもしろいと思う。「かっこいいコンピュータ」はこういうことができる便利なものであったと思う。まさに、いま、自分の手元にある Android はそのような「かっこいコンピュータ」に近付いていると思う。

ユーザーインターフェースというものはユーザーとソフトウェアを繋ぐものであり、ソフトウェアがつまらないのを誤魔化すために手を入れるものではなくて、最高にかっこよくておもしろいソフトウェアを持て余すことなく使ってもらうために同じくらいかっこよくしておくものだ。

ところで、「かっこいいコンピュータ」を考えるとき、誰がそのコンピュータをかっこよくするのか、ということはあまり考えられてこなかったと思う。

コンピュータが自立してかっこよくある、という未来を夢見ていた気がするけれど、現在のところはそうなってはいなくて、コンピュータはむしろネットワーク越し、あるいはネットワークそのものに依存せずには成立できなくなっている。

コンピュータが第三者への依存を断ち切ればもっとかっこよくなると思うし、まだまだよくなる余地はある。