誕生日近いとかいろいろ理由をつけて買った。値下がりしているかとおもったけど、あんまり売れ筋の商品というわけでもなさそうだったし、大きく値崩れしたりしていなかった。まあ妥当な値段で売られているのはよいことだとおもう。
しかしおよそ8万の買い物はさすがに緊張したというか、購入の前後で動悸がとまらなかった。考え直そうと売場をうろうろして、もうすこし挙動不審でいたら店員に声をかけられていたとおもう……。
広角がほしいなあ、とは前々から思っていたのだけれど、ペンタックスでいまいちしっくりくるレンズがなくて、そんなこんなしているうちにシグマからDP Merrillシリーズの開発発表がされた。
プレスリリースで述べられていたスペックからじゅうぶんに期待がもてたし、もともとDPシリーズは気になっていた。さらにDP2 Merrillが発売されて店頭で触ってみたところ、とてもシグマのカメラとは思えない出来 (失礼……) で、これでFoveonセンサーを積んでいるのだからなー、とか考えてDP1 Merrillを買う意思は固いものとなった。
……のだけれども、DP2 Merrillが発売されてもDP1 Merrillのほうの発売予定日はいまだに未定だし、やきもきするばかりであったし、DP1 MerrillはDP2 Merrillの進化から鑑みてもすばらしいカメラとなることはじゅうぶん期待できるのだけれども、やはり飛び道具的であるというか、潰しの効く便利カメラという風ではないという予想もまたしていたので、DSLR (K-7) くらいに柔軟で使い勝手のよく目の覚めるような広角のカメラを1台手元にほしいなあ、と考えていた。
前々からGXRは気になっていて、特にGRレンズシリーズで28mmが発売されてからはとても気になっていた。
しかし、レンズ交換可能なカメラを増やしてもそんなによいことはないのではないか、という気持ちが強くて、だったらKマウントのレンズを集めるほうがうれしいよね、というかんじだった。
しかし、前述のとおりKマウントでなかなか好みの広角が見つからず、さりとてFA LimitedシリーズなどKマウントのレンズには魅力的なものが揃っているわけで、マウントの鞍替えをするという気にもなれないでいた。
無いものをねだっても仕方がないのでいまあるものを買おうとおもった。無いものとはDP1 MerrillでありKマウントの明るい広角である。
しばらく撮ってみてけっこう素性が掴めてきた。
ダイナミックレンジがK-7と比べて広い。特にハイライトがよく粘る。というかK-7のダイナミックレンジが (特にハイライト側が) 狭かった、ということかもしれない。
マニュアルの類は読んでいないのだけれど、もしかしてGXRはRAWのみ撮影ってできないのだろうか。設定画面でどうやってもJPEGは保存されるような気がする。SDカードの容量をムダに圧迫することになるしできることならばJPEG出力を止めたい。
意外と寄れない、寄れないことをストレスに感じる場面が少なくない。広角は寄ってナンボ、といった気持ちがあるので20cmまでしか寄れないのは惜しい。
ボケ味はけっこう綺麗ではないか。あまり寄れないし開放はF2.5だからそれほどよくボケるわけではないが、うるさくなくボケる。まあしかしやはり焦点距離とか明るさからして、ボケを積極的に取り入れた表現というのはあまり向いていなさそうではある。
ボディのコンパクトさが実に絶妙で使い勝手がよい。レンズ (ユニット) 交換可能ではあるけどコンパクトなカメラとしてサブ機として持ち歩くことを考えていたので、DSLRより軽くて取り回しがよいことが前提であった。
実際、取り回しがよく軽い筐体でありながら、剛性はしっかりしているし、握ったときの安定感が損われていない。カメラとして構えて安定感が損われないギリギリのサイズだとおもう。これ以上小さかったりすると自分の手には合わない。
開放から線がしっかりしていて頼もしく写るレンズという印象を受けた。FA 77mm Limitedはやや古いこと、明るいことなど、仕方ないところではあるけれど、開放付近だと特に色収差が大きく出たのに対して諸収差が少なく優等生のようである。
FA 77mmの色収差はクセが掴めたので表現の内として取り込めつつあるし、写真のレンズにおいてそういったクセのひとつはあったほうがよいと考えているけれど、開放から安定した写りを見せるというのもまた魅力であることも確かなので、自分の手持ちレンズのバランスといった点でも信頼できる。
操作性はいわゆるコンデジの部類としてはDSLRユーザにとってもかなりストレスの少ないレスポンスやUIだと感じる。
特にセンサーなどが一世代以上新しいからもうK-7には戻らないかもなあ、とおもっていたけどそんなことはなかった。やはりDSLRでなきゃだめだなあ、というシーンもあるので、当初の予定通り、K-7と共存していくことになりそう。
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