ラトヴィア #3, 帰国

早いものでもう帰る。

朝、旧市街のウール製品を扱う店によってお土産を買う。

www.hobbywool.com

空港へ向かうバスの時間に余裕があったのでぶらりと歩きながらバス停を目指す。

 

フィンランドもエストニアもラトヴィアも、地理的には近いけれどそれぞれ少しずつ建築様式や人口密度などが違い、特にエストニアとラトヴィアの国境を境に文化的にとても大きな違いがあることに気がついた。

知識としてフィンランドとエストニアは民族的にも地理的にも近しいといったことは知っていたものの、実際に降り立って見てみると陸続きの国同士でこんなに変わるのかという驚きがとても大きい。

すなわちロシアとの文化的宗教的な繋がりが濃く見えるフィンランドとエストニアとドイツの影響が残るラトヴィア。一方、国民の割合的にはラトヴィアが最もロシア系の国民が高い割合を占めているというのは、非常に興味深いと思う。

 

https://www.instagram.com/p/BoEIz3QhaZN/

 リガ国際空港の保安検査場前のガイドがなかなか洒落ていた。

 

妹に頼まれていたお土産をヘルシンキ空港で買いtax refundを受ける。

前に並んでいた人が後ろの夫婦 (日本人) に「ちょっと外れるけど場所とっておいてね」と言い残し去り、しばらくして戻ってこようとすると夫のほうが「ちゃんと並べ」と言い、相手は「奥さんのほうにちゃんと言ったでしょ」と言う。

この人の行動はともかく、はいともいいえとも返事しなかった夫婦が事をややこしくしたなーと思いながら見ていた。

自分はこんなに達者に英語を喋れないのでなにかあったら泣き寝入りするしかないなーと思って見ていた。

 

帰りの飛行機はやけに眠くてすぐに寝たけれど深く眠れもせず、しかし目が冴えてしまい、けっきょくのべ1〜2時間くらいしか眠れなかった。

まあ飛行機だからこんなものかとも思う。

 

京都に着いたら寝惚けて財布を落としてしまい、慌てて清掃中のはるかの車両に戻って探させてもらい、無事に見つけた。危ない……。

家に荷物をおろしてからお腹も減っていたし日本食が恋しかったのでラーメンを食べて昼寝した。

ラトヴィア #2

独房みたいなホテルにげんなりしたうえおまけに朝は雨が降ったので朝食を食べてだらだらした。

部屋にいたらいたで清掃の人なのか、やたらとドタバタする音が聞こえてかなりうるさい。

 

さすがに一日ここにいても仕方ないしと昼くらいにホテルを出た。

10℃くらい下がって18℃くらいの外気温、普通に肌寒い。

北の庭園にあるティーハウスを訪れるも人がいっぱいなので諦めて旧市街に。

ガイドブックを見て知ったのだけど、ラトヴィアはエストニアより人口は多いし、加えてちょうど土曜日はなにかイベント?か祝日が被ったようで人出がタリンはもちろんヘルシンキと比べても多かった。

 

と思ったけど、多かったのは入口のあたりだけで、中に入って見るとごった返しているというほどでもなかった。

ヘルシンキやタリンと違って市街のスケールが大きくわりと歩かされる。

あと正教会っぽい建物がなくて、ゴシック建築が多くて西欧っぽい。ハンザ同盟都市でドイツの影響が長くあったらしいが、こんなにも違うのかとけっこう驚く。

 

実際、新市街のほうはユーゲント・シュティール(アール・ヌーヴォー)建築が立ち並ぶ通りがあり、ヘルシンキのほうがよっぽど東っぽかった。

ちなみにラトヴィアはフィンランドとバルト三国の中で最もロシア人の割合が高く25%近いらしい一方、ロシア人との摩擦も大きいらしい(ラトヴィア 無国籍とかでググるといろいろ出てくる)。

 

ラトヴィアにはバスとトラムのほかにトロリーバスが走っていて目の保養になる。

見た目は普通のガソリンエンジンのバスと同じなんだけど、加速が明らかに違っておもしろい。

 

旧市街の見どころをあれこれ見てお腹もすいたので行ってみたかったカフェに入り、ケーキとジンジャーティーをいただいた。

めちゃくちゃおいしくてケーキをもうひとつ頼んだ……。

https://www.instagram.com/p/BoCUhMAhyAh/

 

日も暮れてきたのでカフェを出てまっすぐ帰るつもりだったけど、夕暮れの空がきれいでふらふら写真を撮っているうちにDaugava川に出た。

ちょうど日が沈むところで水面が金色に輝いていて、疲れも独房みたいなホテルのこともぜんぶ溶けた。

旅の終わりに水辺に行くといいというジンクスを大切にしたい。

https://www.instagram.com/p/BoCUrX_B0oA/

 

キオスクでビールとプリングルスを買って外に出たらマリンバを叩いている少年がおり、なかなか素敵だったのでタクシーの釣り銭としてもらった貨幣をあげた。

その代わりではないが写真を撮らせてもらおうとレンズを交換しようとしたら手が滑りFE 55mmを落としてしまった……。

見た目はフードにしか傷がないけど1mくらいの高さから石畳に落としてしまったので吐きそうになった。

AFは問題なかったので大体大丈夫だと思いたいけど……。

 

ホテルに戻ってラトヴィアビールを飲んでこの日記も書いたことなのでそろそろ寝る。

早いもので明日で北ヨーロッパからさよならである。

秋のヨーロッパはすごくよかった。

エストニア #2, ラトヴィア #1

あまりにタリンが良すぎたのでバスの時間をずらして午前中もうちょっと歩けるようにした。

タリンのホテルは綺麗で朝食もおいしかった。

 

シャワーを浴びたら意外と時間がぎりぎりになったけどなんとか展望台には行けた。

路線バスでバスターミナルに行くつもりだったけど時間がぎりぎり間に合うかどうかというかんじだったので、タクシーで向かった。

ちょっと歳を召された運転手だからか、あるいはあまりに自分の英語がpoorすぎたのかbus terminalが通じず面食らったけどGoogle Mapsをみせたら通じた。

VISAのステッカー貼ってたはずなのにカードは使えんでって言われてこっちにきてはじめてユーロの紙幣を使った。

 

バスターミナルに着いた時点で12:29でほんとにぎりぎりだった。

乗車列の最後になんとかつけて間に合った。

4時間もバスに乗るの初めてだったけど、国際線の飛行機に比べたらなんでもなかった。

これから東京へ移動するときも高速バスでいいかもしれない。

 

ラトヴィア行きのバスはわりと自由でものすごい音で着信音が鳴ったり通話始める人がぼちぼちいた。

後ろの人はなんか穏やかにキレていて怖かった。I don't have mistakes You have 2 mistakes I don't have failures Lux Experience's driver fxxked xxx numberとか聞こえた。とにかく今乗っているバス会社にキレている雰囲気があった。

 

ラトヴィア、リガはかなり暖かくて25℃くらいあった。上着を脱がないと汗ばむくらい。

10分くらい歩いて着いたホテルの部屋はヘルシンキとタリンと打って変わってかなり年季が入って狭く独房ぽくてけっこう萎えた。

よく見ると汚いというより年季が入っているだけで水周りはきれいだったのが救いだけど本当に独房みたい。

い青リズズ鳥と鳥ズい鳥リズ青青リ青鳥 on Twitter: "独房みたいなリガのホテル見てください… "

 

移動の疲れもあったし部屋でだらだらしてそのまま寝た

フィンランド #3, エストニア #1

あれだけお腹いっぱいできつい思いをしたのに意外と朝になったら空いてて拍子抜け。

今日でフィンランドを去るかと思うと寂しい。

外に出れば昨日と同じひんやりした、朝露に濡れたての街。

ヘルシンキ大聖堂だけは見ておこうと思っていたのでGoogle Mapsを頼りに歩いたら、昨日レストランの帰りにライトアップされていた建物だった。

https://www.instagram.com/p/Bn7_fSOBhz1/

馬鹿と煙はナントカということで高いところから広場を見渡すのは楽しい。

 

一通り見てウスペンスキー寺院の北側の海岸線を歩く。相変わらず風は強くて寒い。

入口には物乞いがいて、そういえばクロアチアでは見なかったので初めてだなーって思っていた。

中は正教会っぽくイコンがたくさんあり、茶色っぽい内装と外装が東方っぽいなーという印象。

https://www.instagram.com/p/Bn8ENIIBOLy/

そろそろ時間なので歩いてフェリーターミナルへ行ったらタリン行きは別のとこやで、間に合わないから次の便に乗りやと言われる。

 

まじか〜とがっくりする一方、ヘルシンキにいる時間が伸びて得かもなんて思う。

design districtsへ歩いてみて、せっかくだからテンペリアウキオへ行ってみようと思いトラムの停留所に向かう。

https://www.instagram.com/p/Bn8lu9GhuuQ/

途中、Market Hallのカフェでココアとスープで昼食。

改めて停留所に向かうもなぜかカードで買えなかったので歩いてスオメンリンナ行きの船着き場の券売機でチケットを買う。

しかしその頃にはもうフェリーターミナルに向かわないとまずい時間だったので泣く泣くターミナルへ。

 

フェリーに揺られて2時間、エストニアへ。

ヘルシンキより心持ち暖かい。ホテルは旧市街のすぐ近くでターミナルから歩いて15分くらいなので歩く。

ヘルシンキよりだいぶモダンな印象で小さいながら首都らしい構えだと思う。

 

チェックインして荷物を減らしてから旧市街へ。

旧市街は写真で見るよりずっと素敵だった。ヨーロッパで最も保存状態のよい旧市街と言われるだけあって、建物の塗装のちょっと褪せた感じとかは本当に年代ものってかんじがする。

https://www.instagram.com/p/Bn88d4UhNCE/

旧市街を眺められる展望台の眺めもよく、目抜き通りから裏道までとにかく歩くのが楽しい。

夕方だったので陽はだいぶ傾いていて、陽の加減とそれに照らされる紅葉しつつある木々がどうにも美しくて溜息ばかりついた。

夜はカフェでクロワッサンとお茶。ヨーロッパの食事、量が思いがけなかったりするので一人でレストランに入るのは緊張する。

https://www.instagram.com/p/Bn9MyNjBhtE/

元々一泊する予定だったことに加え、フェリーを一本逃してしまい滞在時間が減ってしまい、それを心底悔しく思うくらいにはタリンはとてもとても素敵な街だった。ホテルのある新市街のあたりはガラス張りのショッピングモールがあってそこから造船所が見える近代的な面と、正教会と古い建物、小さな路地がのびる旧市街のトラディショナルな面を併せ持つ、本当にいいところ。

トラムも乗れなかったし残念だけど、またヘルシンキとタリンは行こうという気持ちを強くした。

 

フィンランド #2

寝て起きたら頭痛はすっかり無くなっていた。

シャワーを浴びて仕度していざ出かける。

 

外に出ると完全に秋の気温と空気が漂い、途端に高揚してくる。よく見れば周りの人たちはジャケットや薄手のコートを羽織っている。5月にクロアチアを訪れたときよりずっと季節のずれがはっきりして、遠いところに来たという実感に湧き立つ。

 

https://www.instagram.com/p/Bn5dAzTi5IU/

朝は店内で食べられるパン屋さんでピロシキを食べた。

朝9時のヘルシンキは冬のような傾いた陽射しに満ちていて、夜露に濡れた道が美しい。

https://www.instagram.com/p/Bn5dnfsBDst/

混むから朝早くに行くといいと案内されたのでスオメンリンナへ船で。

https://www.instagram.com/p/Bn5xsSYBAKa/

スオメンリンナには灯台も兼ねる教会があるように要塞としての性格が強く海岸線には大砲がいくつもあった。

内陸のほうはそうでもなかったが海岸線は風がとんでもなく強かった。10mはあったんじゃなかろうか。

冷たく吹き付ける風と荒涼とした植生が思い描いたとおりのヨーロッパの海辺だった。誰もいない寂しげな景色もあわせて心躍る。

https://www.instagram.com/p/Bn5kx0kh9UC/

一方の内陸は紅葉が進んだ木々が多くのどかだった。

ぐるぐる歩き回ったりベンチでぼーっとしたりで3時間くらい楽しめた。

 

再び船で帰ってからトラムで南へ。

海辺にあるCafe Ursulaでやや遅い昼食。

https://www.instagram.com/p/Bn6GVIgheoX/

やっぱりコーヒーを口にするとおなかの調子がおかしくなる気がする。

近くの丘に登って見舞わしてみたあとでサウスポートのほうへ戻りトラムでキアズマへ。

 

https://www.instagram.com/p/Bn6dbxFBfb8/

性善説ということでガイドロープなどは本当に最小限だし他の人が写真撮っていても何も言われなかったしで、日本で美術館に入る時よりだいぶラフな感じ。

ビールの空き缶で作ったボートでフィンランド湾を渡ったドキュメントとその船の展示と、ジャパニーズボンテージカルチャーであるところの緊縛を雪や岩にやってみたよ写真の展示が同じ部屋にあったのがなかなかうけた。

 

歩いて夜を食べる予定のレストランへ。思ったより格式あるかんじで戸惑ったけど入った。

は、いいものの、スープだけいただくつもりがどうもstarterとmainを2つ頼むシステムらしく、急にそんなにお腹に収まるか心配になった。

サーモンのスープとニシンのフライをいただく。料理はとてもおいしかったので、サイズ小さめにしてもらうということを次回はしよう。

 

日が落ちたヘルシンキは適度な光で京都っぽい節度ある雰囲気がよかった。

日本は電線が見た目を悪くしていると言われるがトラムが走るエリアには電線が巡っていてそれなりの見た目だった。

ただその電線の真ん中に街灯がぶらさがっていたりして、それはかわいかった。

 

明日は朝早くにタリンへ経つのでヘルシンキはこれでおしまい。

見切れなかったところがたくさんあるので惜しいけど、今の気候といい、海辺に面した地理といい、街のスケールといい、大好きになってしまった。夏も冬も見てみたい。