MFで撮る日々

この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

楽しくないこと、憂鬱なことが多くてつい雑に時間が過ぎてしまえば良いと願う日々。
あるいは速歩きで通り過ぎたくなる日々。

つい気分転換の散歩にカメラを持ち出しても手早く自分が気に入るような瞬間だけをさっと切り取ろうとするだけ。
良い瞬間への感度を高めることは大事だと思うけれど、そうでない瞬間の記憶が少なくて寂しい。本当に瞬間瞬間のことしか思い出せない。その間に浮かび上がるものがない。

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もっと研ぎ澄ませて今まで目を向けられなかった瞬間を覚えていたいし、その数を増やしたり再現性を増したい。
趣味に対してそういった向上心を持つことが悪いことどころか望ましいことだと信じているけれど、どうにも噛み合わない。

結果を追い求める心だけがあって、そこへ繋ぐものが今は足りていない。
技術もそうだし、心の余裕がない。

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しばらく手段に溺れてみることにした。水準器も何もなしでMFで撮る。
水平は出ていないかもしれない。三分割法をもっと活かした良い構図があったかもしれない。AFだったら逃さない瞬間があったかもしれない。

ただ楽しい。ただレンズのヘリコイドを回すだけで嬉しい。いつのまにか撮れたというより確かに自分の手で撮れたという感触が強くなった。

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これが良いとは思っていない。結局どうあっても道具に弄ばれているだけだ。

今は日々に目をやることが楽しいままでいられるなら、これも良いか、と思う。
でも本当は。

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