この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

実家に帰省したら引っ越しが済んでいた。既に8月に話は聞いていたし、前より広くなりそうという話を聞いてよかったねくらいには思っていた。

新しい家は、今まで住んだことのないにおいがして、ほとんど知らない地域にあった。街灯が少ない道を歩いているととてつもなく遠いところに来たような気がする。たった2kmくらいしか離れていないのに。

引っ越しを手伝うこともなく、物も心も整理がつかぬままでいる。突然なにもかも断ち切られて、ここにおける自分の連続性のすべてが失われたような気がする。

駅前の景色は変わりつづけていて、覚えがあるのは一条通りの角にあるセイコーマートだけ。

こんなところにいたくないけれど、じゃあなんでここにやってきたのか、帰省といってどこに帰ってきたというのか。浸る思い出もない。