雪が積もっている冬の日。山の中の小高い丘の上にある交番の前にいる。おれとふたりの少年がいる。ひとりが悪いことをしてしまったみたいだった。3人でいっしょに謝りにきた。

中に入れられたのは実際に悪いことをした1人だけで、おれともうひとりの少年は外で待っていた。

しばらくすると犯人の少年の家族がワンボックスカーに乗ってきてやってきた。おれは大学受験を控えていてそろそろ焦りはじめていた。それを知っていた犯人少年の家族が車で送ってくれると言ってくれた。

よく晴れた日だったが雪はしっかりと積もっており、とても滑ってこわかった。おれは後ろの座席で交番を見守りながら去った。

しかし、とても狭く人里離れた地であるにも関わらず、車通りは多くてなかなか車線に出れずにいた。

そこに大型バスがやってきた。父が運転する車だった。

「待たせた、すまない」とだけ短く言って、おれはバスに乗り込んだ。

父はとても若く、またスーツを着ていた。

バスといってもトラックのような運転席になっていて、おれは助手席に乗り込んだ。とても高い位置にあって下のほうがよく見えなかった。

こんな大きなバスで狭い山道を通れるのかと心配になった。とても大きな下り坂があって、ほぼ減速せずに通過してがくん、と大きな車体が跳ねた気がした。父は「くそっ」とだけ言い、またさっきの雪山への道に戻った。

今度は曲がるべきところで曲がりそこねて、また一周することになった。「ここで曲がるんだよ」「そうだったな」という短い会話の中の父の声はすこししゃがれていて、口数の少なさも手伝って寝起きの父に似ていた気がした。

1周、2周するうちにだんだんと加速していき、何周目かで下り坂のあとのがくっという衝撃を受けてから周りをみるとロンドンだった。ロンドンの街の中にバスが止まって、父は「いそげ、遅れるな」と言った。

すぐそばにあった地下への階段を降りていくと地下鉄の駅だった。そこで祖父と祖母らしき人たち(知らない人だった)が、「話はうまくいったのかい」「喧嘩しなかったかい」と父に訊いていた。

彼らを尻目に駅の中を走っていくと日本人ばかりで、中学生や高校生が多かった。

2つ目の地下への階段を降りようとすると、下から上がってくる人がいて、その中に小学校のときに部活の先輩がいた。しかし、姿は小学生のままで、「ああ、ちがう時空のそっくりさんなんだな」と納得がいった。

階段を降りると旅館の宿泊棟みたくなっていて、すこし薄暗かった。中学校の同学年によく似た人たちがたくさんいた。女子ばかりで、男子の宿泊棟は別のところだろうかと考えていると、男子を見つけた。「○○と××はどこ!」と尋ねるものの、ヘッドフォンをしていて気がついてくれない。