- 作者: 西尾維新,VOFAN
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/07/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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話の骨子が「猫物語 (白)」っぽいなと思った。そんなことを言ったらセカンドシーズンの話っぽいか。
よく思い返すとセカンドシーズンにおける撫子は神になって暴れ回って何も解決しないままファイナルシーズンを迎えたのだった。暦を除く他の登場人物はセカンドシーズンである程度しこりを解決していたのに対し、そうではなかった。
以前に貝木が「闇の心」と言っていたけれど、別に撫子が特殊というわけではなくて単に他の登場人物より年下でそういう時期が遅れてやってきただけで、それがオフシーズンにずれるという結果になったのかな、と思う。
しかし同じような話が続いてさすがに飽きてきた。だから梃入れというわけではないと思うけれど、老倉さんが出てきたことは意外でおもしろかった。
ファイナルシーズンでは破滅的というか完全に破滅しきって世捨て人みたいだったけれど、撫子にお姉さんらしく振る舞うし、なんだったら「すぐに後ろ向きな独り言を口にするナイーブな女の子」にデフォルメされていた。その落差が怖くもそう描く作者が気持ち悪くも思うけれど、しかし暦以外の人間から見たらそういうものなのかもしれない。あるいは撫子だからかもしれない。
人間が破滅しきっているかどうかなんてわからないし、そもそも知りたくもないだろう。あるいは破滅しきっていると考えるのだって暦の、読んでいる自分の悪い癖かもしれない。