この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

結婚についてずっと現実感のない話題だった。現実感というかポジティブなイメージ。

少し前まで自分の周りは結婚の失敗例のカタログのようになっていて、なるほどこういうところから綻びが生まれるのか、という発見はあっても、結婚したあとのポジティブな生活に対する想像力は一向に豊かになる気配はなく、もともと自分にとって現実感の薄い話題であったことも手伝ってますます疎遠な、現実感の薄い、しかし最も生々しいイベント、状態として位置づけられるようになった。

変わって最近は、結婚をしたあとでもポジティブに生活している人たちがいたりして戸惑ってもいる。

幸せなのか、結婚が幸せなのか、幸せな人たちが結婚するのか、結婚しても幸せなのか、いつまで幸せなのか、幸せならいつ終わるの? とか、考えてしまう、想像してしまう。

果たしてどうであるか、ということは、たぶんわからない。

結婚しても楽しいことが増えるかどうかわからないけど、つらいことは増えると思う。そういう人たちばかり見てきた。幸せかどうかは、わからない。ただ、自分が幸せそうに見える彼ら、彼女らは、いろいろあるにせよ、「幸せですか?」と尋ねたときに「いいえ」とは、言ってほしくないな、そう言うのを聞きたくないな、と思う。事実としてつらいことが多いとしても、人の気持ちが暗く沈み、澱んだりするのを見るのは、いやだ。

そういうことを感じるようになって、ふと、母に結婚はどうだったか、というようなことを聞いてみたいな、と思った、なんとなく。

過去のことになって区切りがついたあとで、母はどう評するだろうか。どう述べるだろうか。