モノクロ写真の撮り方、現像のしかたのコツみたいなのがだんだんつかめてきた気がする。
カラーとモノクロだと見え方がちがってくるというか、色という要素を欠くことで構図だとかが担う意味がより大きくなる。だから撮るときからモノクロとして表現することを意識しないとどうにもならない写真にしかならなくなる。色に頼った表現がモノクロ化することで破綻するのは当たり前だ。
また階調がとても重要な意味を持つのでカラー写真より一層、気をまわさないといけない。具体的には白飛び、黒潰れにシビアになる。デジタルはシャドウに関してかなり粘れるので、主に白飛びに気をつける。K-7というカメラは特にハイライト側の階調が狭い印象があるので、曇りの日の光芒だとかを撮るときにはかなりマイナス補正する。
ノイズに関してもよりシビアに考えるなあ。ノイズの単純な有無というより、ノイズそのものが写真の構成一部たりえるかどうか。いわゆる高感度フィルムっぽい粗い粒状のノイズだとそんなに不快ではないけど、なかなかデジタルではそんなに自然なノイズは出ない。だから、撮像センサーが拾うノイズをある程度処理した上で、レタッチの中でノイズを加えるといったこともする。
デジタルでモノクロ写真を撮るのはすごくおもしろい。カラー写真が現像作業の中でわりと「救済」できるものもある一方で、てきとうにモノクロ化してうまいこと仕上がるなんて例はほとんどない。撮影する時点でいろいろ考えてうまくやらないとまず納得できる写真にならない。漫然と撮ることが減るので充実度がまったく違うのがおもしろい。