『響け! ユーフォニアム』聖地巡礼

13話の放送を目前に控えた25日にでかけてきた。場所は三室戸の水管橋と大吉山。天気もよく単なる散歩としてもポカポカして楽しかった。

聖地巡礼といいつつも、まあ近いところではあるので縁のある場所を軸に散歩して写真を撮ろう、というわりとカジュアルな気持ちだった。実際、GW にきたし。どちらかというと、自分が心を整理するために、というものだった。

あるいは無人のポートレイトというものを試みたといえる。これは受け売りだけれども、写真が捉えた時間の前後を想像させるような写真を尊いと思うし、物語のある表現はそれだけで強いし尊い。

トビケラが飛んでいなければ宇治は穏やかでいいところだなあ。

OP などで出てきた水管橋。ピーカンで太陽が真正面に入ったけど、空に冬独特の色合いが残っていてけっこう気に入っている。

原作を読んだときから特に9話のエピソードに対してはそれはもういろんな気持ちを抱いていたわけで、実際こうして撮ってみると感無量というかんじ。何が無量なのか、いまだに自分でもよくわかってないけれど。

無人のポートレイトというものを強く意識したフレーミングだと思う。

こうやって西日がさすんだなあ。


淡い光は回想っぽいかんじを意識したと思う。


大吉山。どんどん山が深くなっていくし人通りは少ないし、よく女の子ふたりで登ろうという気になったな……と思った。

しかして展望台からの眺めはこのとおり。



本当にきらめいて見えた。見下ろす宇治がこんなに光り輝いているとは想像もしなかった。


夕焼けが死と結び付けて考えられてきた歴史をあらためて思い起こさせられる。刻一刻と色がとけて、燃え尽きていくかんじ。灯りの乏しい時代はより寂しげで不安な光景が広がっていたのであろうと思う。



もはや言葉にできることはほとんどない。


強い視覚的なイメージが頭の中にある状態で写真を撮っていたので、かなりはっきりとした写真が多い。

写真を撮っていて伝えたいことというのはほとんどないけれど、捉えたいことは少なからず持っているし、特にこれらにはよく表れていると思う。

こういったなんらかのテーマで貫いて写真を撮る体験をあまりしてこなかったので刺激的だった。継続的に試してみたい。

金沢で年越し

今年は年末年始の暦があまり具合のよいものではなかったので帰省しないことにしていた。

掃除もぼちぼち済ませ、外食しようにも年末年始の休みに入って選びようがなくなってきたなあと思っていた大晦日、ふと金沢なら今 (15時) からでも行けるよなと思い立って、楽天トラベルでホテルを調べたら普通に空きがあるし高騰もしていなかったので、サンダーバードとホテルを予約して出かけることにした。

和歌山か三重で初日の出を見るのもいいなと思って調べたけれど、車なしでいい場所へ行くにはなかなか骨が折れそうなのでうやむやになった。けれど、せっかく帰省せずに自由に行動できるのだしという気持ちはまだあった。

2ヶ月前に初めて訪れてからもしばらくまた行きたいなと思っていたから、気持ちと機会がうまいこと噛み合った。

帰省ラッシュをぎりぎりかわしたのだろう、サンダーバードには空きがあって拍子抜けした。

あらかじめ調べて駅の近くで食事するあてがあることを調べた。向こうに着いてあてが外れてコンビニで済ませることになればあまりに寂しい。駅の近くで到着後の時間に寿司が食べられるお店を見つけたので駅弁など買わずに乗る。

金沢駅に着くと思ったより人はいない。まあもうすぐ新年まで4時間ほどといった頃合いなので当然という気もする。

金沢フォーラスで寿司を食べる予定だったけれど、空いている入口が見つけられなくて一周するはめになった。「正面入口からお入りください」という看板が立っているが、その正面入口とは……。けっきょく最初に見つけた入口が正面入口で、よく見ると空いていた。「正面入口からお入りください」と書かれた看板が立っている入口が正面入口だなんてなかなか温かい歓迎。

無事に見つけてにぎり桶と地酒の黒帯悠々をいただく。

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でろでろした

https://www.instagram.com/p/BOrjkoDDv2p/
わけのわからない状態

黒帯 | 福光屋オフィシャルサイト

行き当たりばったりで出かけてきた興奮がまだ醒めていなくて、味についておいしかった以上のことは覚えていない。ただネタのどれもが本当に溶けていくようですごい体験だった。

普段は日本酒をまったく飲まないけれど、お寿司にビールでもないかなと思って地酒の黒帯悠々を頼んだ。さっぱりとしていて飲みやすかった。

しかし日本酒をどれくらい自分が飲めるのかわからないのでちびちび飲んでいたらお腹いっぱいになってあまり飲めなかった。味噌汁と茶碗蒸しのついたセットだったので、なおのことお腹が膨れた。

味噌汁は魚の粗汁みたいな雰囲気でものすごくおいしかった。白身で脂がよく乗って出汁と葱の風味がよく混ざってどんどん箸が進む。あれはのどぐろだったのかな。

ホテルにチェックインしたら喫煙可の部屋でけっこうにおいがきつくてげんなりした。大浴場へ行くあいだ窓をあけて換気したけど焼け石に水だった。

お風呂に入ってぼんやりしていたらいつのまにか年を越していた。


7時くらいに起きて支度をしてチェックアウト。元日でどこもやっていないので駅ビルで和食を食べる。温泉卵がおいしかった。


元日の朝だからかがらんとした金沢駅の西口。そもそも東口のほうがバスターミナルがあったり鼓門があったりでメインストリート感はあるのでいつもこういうかんじなのかも。

飲食店に限らず美術館とかもやっていないのでどう歩こうかなと悩んでいたけれど、とりあえず東へ歩いて浅野神社を目指す。

橋を渡ると一気に地方都市感が増したように思うのは元日でがらんとしているだけではないはず。Google Maps が示すルートはとんでもないことも多いけれど、住宅街の中を通るちょっと気後れするような道へも背中を押してくれるので嫌いじゃない。


浅野神社は住宅街の中にあるこじんまりとした神社だった。元旦ということで甘酒が振る舞われていた。


浅野神社を出るころには晴れ間が見えてきた。好天は期待していなかったけれど、ちょっと欲が出てくる。雪が降ってもよかったけれど。

さらに20分ほど歩いてひがし茶屋街へ。



小京都って、ぶっちゃけ京都の下位互換だよね、みたいなことは金沢も思っているらしく自ら小京都ということはないらしい。まあそうだよね。

実際、京都に住んでいる人間としてどうなのかというと、まあここだけを目的地に金沢には来ないだろうなあというところ。

元日の朝なのでほとんど店は開いてなくてただ建物を眺めるくらいだったけれど、むしろそれくらいで楽しめた。あまり茶屋とかは行かないので……。

茶屋街の中心から一本挟んだ路地にはちょっと古風な家が並ぶ住宅街になっていて、この圧縮感は祇園などにはないものでおもしろかった。

てきとうに歩いていたら坂があったので登っていった。とりあえず高いところへいくといいことがあるはず。


しばらく登ると小さな公園があり、気付けばかなり晴れてきていた。

もうちょっと登るとお寺があって、展望台のようなスペースがあった。あとから調べてここは卯辰山の麓らしいとわかった。


レンズ交換しているうちにセンサーにごみがついたらしい……。わりと早い段階で気付けてよかった。

再び茶屋街に戻り、抜けて川のそばを歩きながら梅の橋を渡る。向こう岸に渡って近江市場を目指す。しかし近江市場はほとんど閉まっていた。まあ元日だしなあ。


ここから金沢城近くの尾崎神社を目指して歩く。小雨がだんだんとぱらついてきたけれど日は差しているので大丈夫だろうとたかをくくる。

さすがに歩き疲れてきたのでどこかで休もうと近江市場のあたりに出てきたら雨が強くなってきたので近くのスタバに逃げ込む。広々とした店内は空いていて、はじめて元日らしさを感じた。

昼前に差し掛かっており、ちょっと小腹もすいていたのでビスケットもいただいた。小一時間ほど休んで外に出ると嘘のように晴れた空が広がっていた。

冬の金沢で晴れ間を見ることができるとやけに嬉しい。

ちょっと歩いて尾山神社を目指してみたものの、初詣客がかなり並んでいて鳥居だけ見て帰った。

この前来たときは金沢城は見なかったので、金沢城公園を巡ってみた。かれこれ2時間くらいいたみたい。とにかく天気がよく雨上がりということもあって照り返しがきつかった。

広島もそうだし、金沢はこういう大きな緑地があることと、街に高低差があって抑揚のあるところが好きだと思う。京都にも二条城はあるけれど、あからさまに観光地で文字通り見て眺めるだけ。金沢城公園は、公園というだけあって開かれている。

そのぶん金沢城自体はしょぼいけど。第二次世界大戦で本丸は焼失したらしい。よくもわるくも遺産というものに人は縛られるという例だと思う。それで街を立てている京都みたいなところもあるのでよしあしを言えるものではないけれど。もし、たとえば主たる観光地が焼け落ちてほとんど好きなように開発できるとして、果たして京都のこの狭苦しい路地は残るんだろうか、とも思う。

ひととおり歩き回って、21世紀美術館の外観だけでも見て帰ろうと思ったので西へ歩いて香林坊のほうへ。


もちろん美術館は閉まっているのでまわりをぐるっと眺めて帰るだけ。

香林坊のほうに出てきて、武家屋敷を見て帰るかと思ってよってみたけれど、いまいちピンとこなかった。

天気がいいし歩いて駅まで向かおうと思っていたけれど、日も暮れてきたし疲れてしまったのでバスに乗った。

金沢駅でお土産を買いつつ、特急の予約をして一服する。本当はもう一度寿司を食べたかったけれど、並んでいたし近江市場も閉まっていたのでまた今度かな。そのかわり駅弁を買った。


前回とはうって変わって観光地らしい観光地を巡ったけれど元日なのでどこもあいておらず、アンバランスだった。とはいえ、人が少なかったし、穏やかな金沢を見ることができてよかった。

今回は駅の近くにホテルをとったけれど、さほど便利ではないので片町のあたりにとるのがよさそう (前回はそうした)。

2017

今年は写真コンテストに応募することにした。

勝手がわからないしプリントしないとだめなんでしょ……って思っていたけれど、まあ探せばデジタル提出もありそうだし、プリントを求められても近所のラボに行くくらいはできそうだなと思った。

評価される場がないと成長しないっていうきれいな理由もあるし、2016年は少々粗雑なカメラ関連の買い物をしてしまったので投資しただけの成果があるのか見たい、という理由もある。

しかしフォトコンに応募して奮わなかったら奮わなかったで、やっぱりレンズが……とか逃げる余地を作ってしまいそうなので、やはりいろんな意味で健全ではない考え方のような気もする。

とにかく出してみて、自分がどれくらいのものなのか知ってみる。

挨拶

休日によくいくパン屋さんで「今年は今日が最後なんですね」と声をかけた。一言、二言交わして「よいお年を」と挨拶した。

休日によく本を読む喫茶店で、年末だし普段は飲まないけれどお酒を飲んだ。そして「よいお年を」と。

サンライズ瀬戸で東京へ

TK from 凛として時雨とクラムボンの原田郁子のツーマンライブに行くことが決まり、東京行きの新幹線をいつものように予約しようとして、ふと会社の人がサンライズ瀬戸に乗ったという話を思い出し、せっかく楽しみなイベントのために東京へ行くのだったら行きも楽しめるようなものにしようと思い立って予約した。

0時34分に大阪を出て、7時8分に東京に着くので、少々早いものの余裕がある分にはよかろうと今月の初めに予約した。種別はシングルデラックス。

予約

京都駅のみどりの窓口で特急券を予約・購入した。同僚が言うにはあまり予約が入らない特急だからか窓口の人が熟れていないので、あらかじめ種別や時間が決まっていたら最初から告げるとよい、というようなことを言われていたのでそうしたけれど、今回はそうでもなかった。

深く考えずに特急券だけ買ったけれど、結果的にはあらかじめ乗車券も買っておくのがよいと思う。

たまたま別件で京都駅に予定があったので平日の午前に京都駅にやってきたけれど、休日のみどりの窓口はいかにも観光客で混んでいそうなので都合がよかった。というより休日の京都駅には用があっても出向きたくない。

乗車まで

仕事が終わって夕食を食べ、一旦家に帰って荷造りをしシャワーを浴びて阪急で梅田まで向かう。最寄りが阪急であるのと、これから JR に乗るので京都-大阪間は私鉄でもよかろうと思って。

週の真ん中なので終電間際といえどそんなに人手はないかと思ったけど甘かった。年末が近いからか思ったよりも人は多い。それとも梅田はいつもこんなかんじなんだろうか、普段を知らないのでなんとも言えない。

阪急梅田と JR 大阪は、連絡橋を渡るのが一番わかりやすいと思う。地下を移動するのは罠が多すぎる。

乗車券を購入しようと思ったらクレジットカードの使える券売機はすべて23時までの営業となっていた。みどりの窓口も閉まっていたので、改札の駅員さんに相談したら発行してくれた。

都市圏の駅だし乗車券くらいどうとでもなるだろうと思っていたら、意外とどうにもならない (結果オーライといえるけど)。余裕をもって40分前に着くよう移動して正解だった。自分が社会人になってから成長したなあと一番実感できることのひとつは、余裕をもった行動ができるようになったところ。時間を持て余したくない気持ちで余裕時分のないスケジュールを立てがちだったので、ずいぶん成長したといえよう。

発行を待つ間、改札にはほろ酔いなのか声の大きな人たちが何人も通っていった。年末を感じる。

サンライズ瀬戸は金沢方面、サンダーバードなどが発着する11番乗り場に発着している。寿司詰めで発車する東海道線を何本か眺めて、いよいよ終電も行ったのだろう、がらんとした大阪駅のホームを眺めながら現実ではないように思えた。

0時34分、いよいよサンライズ瀬戸がやってきた。


車内

乗り込むと少し狭い通路に沿って1Fと2Fそれぞれの客室への入口がある。

車両と車両の間には洗面所もある。

走るホテルという謳い文句は伊達じゃなく、普通のホテルと比べても遜色のない設備が揃っている。ベッドはやや固め。

興奮しきりでずっと部屋の設備を見てまわったりした。

車窓

琵琶湖東岸にかかるにつれて霧が濃くなる。ピンボケしているようにも見えるけど、肉眼でもこういうかんじだった。

近江八幡や野洲のあたりはなにもないので、時たま通り過ぎる踏切の警告灯の赤色が霧の中にぼんやりと漂ってかなり不気味だった。

米原あたりで運転停車するらしいのでそれを見てから寝ようと思っていたけれど、眠気に勝てず彦根を過ぎたあたりで寝た。

ふと目を開けると頭上に月が見えたのでぼんやりとした頭で起きてみるとマジックアワーの只中だった。一気に目が覚めてカメラを手にして写真を撮りはじめる。

熱海を過ぎたあたりから海岸線沿いが続き、昇ってくる朝日をほとんど正面に捉える時間が長く続いた。

だんだんと東京へ向かう上り電車を待つ人がホームに増えていくのを目にしながら、ああ今日は平日だなあなんて考える。

東京着

熱海を過ぎたあたりで、遅れているため横浜に停車する予定をやめて代わりに小田原に停車する旨のアナウンスが流れた。

どれくらい遅れているのかわからなかったけれど、さらに小田原の手前くらいで東京終着の予定だったが品川終着にし、到着予定は8時ごろである旨のアナウンスもなされた。

東京着予定が7時すぎだったのでほとんど1時間の遅れで、たしかに昨日の濃霧だとしかたなさそうだなあと思った。

それはまあ仕方ないとして、JR のサイトを見たら JR 西日本にも JR 東日本にも、遅延情報は出ていなくてそれはどうなのと思った。

東京駅付近のカプセルホテルで仮眠しようかと思っていたので、予定が完全に崩れたわけで戸惑ったけれど、車窓から差し込む日の光が気持ちよかったので、まあいいかと思えた。

おわり

新幹線より少し高いくらいで、大阪-東京間の移動が特別なものになる。天気とかいろいろな巡り合わせが働いて、本当に尊い時間だった。

しかしながら冷静に振り返れば、0時半発で7時着なので睡眠時間は長くて6時間くらいしかとれないし、言っても走る電車で横になるからには眠りもそれなりに浅いものになるから、どれくらい疲れるかという点で新幹線より格段に快適といえるものではない。
疲れのたまり具合だけでいえば、早朝の便をグリーン車で予約するのとそんなに変わらないと思う。

しかしビジネス新幹線であるところの東海道新幹線と比べることがナンセンス。旅程をうまくアレンジできれば何度でも乗りたい。