Kinesis Advantage 360 Proを買った

kinesis-ergo.com

半年くらい前に発売がKinesisから発表されて以来、心待ちにしていたキーボード。11月に一般発売されてからちょくちょくAmazon.comを見ていたらたまたま入荷していたので購入し、4日くらいでUSから届いた。

modifier stuck, Kinesis Advantage Contoured Keyboard 2, キートップ交換 - 『言葉を吐く』

初代のAdvantage Contoured Keyboardを使っていて、2年前にAdvantage 2に買い替えていた。

初代でだいぶ困ったModified key stuckも起きず、Advantage 2はキースイッチに赤軸を選んだことでしっとり静かなキータッチも手に入り今でも気に入っている。

しかしいかんせんその巨大な筐体がデスクの上で占める存在感は大きいし、分離していたほうがより自分にあった姿勢を取りやすくなるしで無線かつ分離型のKinesisが欲しかったのでまさに理想のキーボードともいえる存在。

過去にKeychronやErgoDoxなどを使ったこともあるけれど、やっぱりKinesisのお碗型のキーポジションが欲しいので代替は難しい。

Advantage 360 ProはProじゃないモデルもあって、分離できるが左右のペアリングおよびPCとの接続が有線になることと、ファームウェアがZMKではなくSmartSetになる。あとバックライトもなくなる。

Bluetooth接続がなくてもそんなに困らなかったと思うし、買う前はZMKかSmartSetかも気にしていなかったし、バックライトもどうでもよかった。 Proじゃなくても良かったと思うけれど、まあ線は無いに越したことはないよなと思ってProにした。

果たしてやってきた360 Proは夢見た通りのキーボードだった。左右独立で、Bluetooth接続できて、Kinesis伝統のエルゴノミクスがある。

事前にはわからず手にしてからわかった点が2つあって、1つは筐体が金属製になって頑丈になって安っぽさがなくなったこと。

初代AdvantageとAdvantage 2は筐体がプラスチックで、実用上問題ない堅さではあるもののちょっとチャちい感じは否めない。

360の金属筐体は特別ゴージャスでもないが、円安も手伝って7万を越えたキーボードだと納得できる程度のクオリティになっている。

もう1つは左右のペアリングの気難しさ。360 Proは、PCとの接続がUSBケーブルであっても、左右のペアリングは常に無線で行われるが、この左右のペアリングがうまくいかないとややハマる。

  • 電源のON/OFFは常に左から
    • プライマリは左のよう
    • 電源を切る操作は入れる操作の逆順だと思い込ん右から電源を切ると ペアリングがおかしくなる
      • FIFOの原則であると捉えるのがよい
  • 左側のモジュールがPCと正常に接続できていないと、左右のペアリングもうまくいかないっぽい?
    • きちんと調べたわけではないので違うかも
  • 左右のペアリングができないとModキーを使ったキーコンビネーションが一切使えないので、Bluetooth接続先の切り替えもできなくなる
    • 360 Proは同時に5つの端末とペアリングでき、ペアリングするチャネルの切り替えをModキーを使ったキーコンビネーションで行う、が……
    • Modキーは右側のモジュールにあるため左右のペアリングができていないと当然このキーコンビネーションも受け付けられない

……といったかんじ。使い始めにはこの癖を掴めなくてけっこう手こずったけど、不安定でランダムな挙動をしているというより推測が難しいややこしい挙動を示すだけなので、理解できてからは不都合なく使えている。

一応、ここらへんの挙動や勝手はScrapboxにメモしている:

Kinesis Advantage 360 Pro - aereal-tech

ほかZMKを使ったカスタマイズが想像以上に便利。Kinesisが提供するリポジトリをforkし、GitHub Actionsの実行を許可すると設定ファイルからファームウェアを書き出すようになるので、Actionsの成果物からビルドされたファームウェアをダウンロード・適用するという手順になっている。

バージョン管理されているというだけでも嬉しいけど、そのうえリマップやレイヤの書き換えをWebアプリのGUI上で行えるのがたいへん便利。 GitHub Appsと連携したSPAになっていて、変更を保存したらリポジトリにコミットされ、承前のGitHub Actionsでファームウェアがビルドされるという仕組みになっている。

Kinesisのハードウェアリマップは便利だけれども、今どんなリマップになっているか・どんなマクロを登録していたかよくわからなくなって手癖で覚えているキーコンビネーションしか使わなくなるのだけれど、GUIで確認・バージョン管理されているとレイヤ機能とか使い込んでみようかなという気になってくる。

forkしたネットワークから他の人の設定も見れるのも地味に良い。

Advantage 2では赤軸で、360 Proではまた茶軸に戻ったのでチャキチャキした打鍵感がなつかしくある。ホットスワップに対応していないので替えるならはんだ付けをやりなおすところからになるけど、まあしばらくは茶軸でも良いかな。

総じて自分の理想に近いキーボードがやってきたのでコードを書くのが楽しくなった。Advantage 2は赤軸の打鍵感が気に入っているし、有線接続のトラブルの少なさは魅力なのでしばらく手元に置くつもり。

普通自動車免許を取得して、そしてMAZDA3を買って1年が経った

免許

免許を取った時: クソデカ買い物 - 『言葉を吐く』

初心者マークが取れてもう2ヶ月くらいになる。今のところ無事故無違反で暮らせている。

違反はともかく事故は運みたいなところはあるので、これをもって自分の運転技術に絶対の自信を持てるわけではないが、運だけでは明らかにキャリーできなさそうなリスクの高いシチュエーション・場所に対する嗅覚は養われてきたとは思う。

運転してみて、世の中の運転者は意外と向上心が無いというか危機意識を持たないというか、自動車を運転することの難しさや危うさを認識しつつも、それらリスクを取り除くないし減らす努めはあまり果たしていないんだなーという実感がある。

そういうかんじなので事故は減らないし煽り運転が問題ともなるんだろうなあ、と思う。

別にそういう態度がそこまで問題だとも思っていなくて、自動車を運転することが好きじゃない・向いていない人たちが運転せずに済むアプローチが必要なんだろうなとぼんやり考える。 この文脈で自動運転のコモディティ化が語られることが多いけれど、こういった人たちの代わりになるような仕組みを目指すよりトラックドライバーなどの予防安全のためにするほうが有意義だし近い未来になると思う。

それはそれとして、引き続き次回更新時にはゴールド免許となるよう心掛けたい。

MAZDA3

MAZDA3を買った時: MAZDA3 Fastback: 初めてのマイカー - 『言葉を吐く』 半年経った時: d.aereal.org

1年経ってオドメーターが46,000kmほどなので、納車されてから41,000kmほど走ったことになるもよう。

ちょくちょく他の車を運転する機会もあり、興味も増してきたことで他の車が気になったりもしている。 最近だとA110がめちゃくちゃ楽しかった。 アルピーヌ A110を半日借りて乗った - 『言葉を吐く』

しかし週末に自分のMAZDA3で出かけたら楽しくてまた来週はどこに出かけようかななんて考えている。駐車場に停まっているMAZDA3を見て未だに惚れ惚れする。

MAZDA3より、もっと高級感のある内装の車、もっと加速の速い車、もっと軽い車、などなどは探せば出てくる。 けど自分にとっていつどんな時でも乗りたくなる一台なんだな、って改めて気付かされる。

1週間ひたすらドライブする旅行をしたり、2年ちょっとで100,000kmいきそうな勢いである。 1週間かけて2,000km以上の道程をドライブした - 『言葉を吐く』

少なくとも増車することはあってもMAZDA3を手放すことはそうそうないんだろうな。これからもよろしくという気持ちを胸に来週は車検。

アルピーヌ A110を半日借りて乗った

大阪に行った時にAnycaでディーラーが貸し出しているA110に乗ってきた。

anyca.net

ちょうど良い距離だったので信貴生駒スカイラインを走った。結論から言えばA110で走るのに最高の環境だった。

A110について

www.alpinecars.jp

エンジンを座席の後ろに配置し後輪を駆動するMRのスポーツカー。フェラーリやランボルギーニなどのスーパーカーカテゴリを除いたら他にポルシェ718くらいしか現行機種に残っていないMR.

MRという駆動方式のほか、走りのために車体の大部分をアルミ・その他は樹脂で構成するというストイックさ、最近のピュアスポーツカーらしくなく威圧感の抑えられたデザインなどが気になっていた。

A110に乗った感想

前提として所有したことのある車はMAZDA3のみで、他に乗ったことのある車というとスープラとNDロードスターくらい。 そもそもスポーツカーをまとまった時間乗ったことはそんなにない。

走り出し〜街中

ディーラーで借りて乗り込んで一番気になったのは室内のにおいで排気なのかエンジンルームから漂っているのかガソリンか油脂類っぽい香りが漂っていた。

書きながら気がついたけどカートに乗った時にも感じたにおいだ。まずこれでテンションが上がった。

それからディーラーを出てから街中を40km/h程度で移動するとトルコンATとDCTの違いに気付く。クリープ現象で生じる力が格段に少ない。 仕組み上そうであるということは知識としては知っていたけれど、実際に乗ってみるとどれくらい違うものかの感覚が養われた。

確かに渋滞とか近くに歩行者がいるような狭い道で最徐行しないといけないようなシーンだとトルコンATのトルクがあると便利と感じるかもしれないが慣れの問題で片付けられる範囲だと思った。実際、すぐ慣れた。

また、そこそこパワーのあるスポーツカーであるA110といえど、ノーマルモードで常識的にアクセルを踏む限りは扱いやすい加速をするのできちんとしたアクセルワークを心がければ不便しなかった。

次に気になったのはアイドリング時の振動で、回転数を上げた時の振動とは違うプルプルした振動が背中から伝わってくる。

ブレーキというか減速・停止時は軽く踏んでキャリパーがディスクをやさしく噛むくらいでも予測しやすい速度変化を起こすので怖くなかった。

スポーツカーのブレーキは効きが良くてカクカクするイメージを持っていたけどそんなことはなかった。これは車体の軽さも手伝っているのかもしれない。

高速道路

高速に乗る時の合流1回目はノーマルで加速してみた。回転数がある程度上がるとタービンがまわって過給がかかる音がして気持ち良い。

過給されても急激な変化は起きず、エンジン音から想像するよりははるかに扱いやすかった。

帰りにスポーツモードで踏んでみたらわりと良い加速で、普通にシートに抑えつけられるほどのGは発生する。

ただ当然ながら直6のスープラのびっくりするようなGは起きなかった。まあこれはスペックを見比べてもそうだろうという感じはあるし、借り物の車で緊張していたということも差し引かなかければいけないだろう。

ワインディング

そしてお楽しみのワインディング。これまでの道程も十分に楽しかったけれど、本領を発揮したといえるのはここだろう。

スポーツカーだからそれは当然というものかもしれないが、コーナーでの姿勢変化や接地感がわかるというのはこういうことか!そして四輪をきちんと使えているということはこういうことなのか?ということに気付いた。

MAZDA3でワインディングを走っている時、ちゃんとブレーキを使って荷重移動させてあげないと不快な横Gが生じてしまう。 ドリンクホルダーにさした缶が音を立てるような。それをいかに抑えるかというところがワインディングを走る楽しみだと理解している。

A110は、同じくらいの速度・同じくらいの曲率のコーナーに入ってもその横Gが発生する閾値が圧倒的に高い。というか当日走ったうちではほとんどそういう横Gを感じるほどのシーンはなかったように思う。

慣れてきて、またA110のキャパシティの高さを感じ取ってから、MAZDA3だと明らかに足りていないくらいのブレーキングでコーナーに入ってみてもまったく挙動が変わらず、だいぶ (自分の中では) 荒い運転をわざとして始めて感じるくらいだった。

またスポーツモードにした時の変速スケジュールの速さもさることながら、特にシフトダウンした時のバブリング音が派手でめちゃくちゃ楽しい。 スマートな見た目をしているし実際、ノーマルモード中はそうなのに豹変ぷりがすごい。

とにかく乗っていることが楽しくて昼食を食べる時間も惜しくて、というか忘れてずっと走っていた。

不便だったり困ったところ

一方、やはりどうしても失われた利便性や少し古い設計を感じる場面もあった。

360°ビューモニターがないのは筆頭で、特に借りていたということもあって駐車時などには気を遣ったけれど、こういう時に360°ビューモニターがあればなあ……と思わずにはいられなかった。

まあ自分の車にして車体感覚が身につけばある程度は気にならなくなるのかもしれないが、それにしたってどうしたって死角は生じるものだから、高い車だからこそあったら良いのにとは思う。

関連して、バックモニターは付いているものの画質はVGAくらいでそもそも粗いうえに画角もやや狭いので後退する時の周囲の情報を得るにはいささか心許ない。

特にA110はMRなので後方視界が本当に終わっているので、考えようによっては360°ビューモニターが無いことより重大かもしれない。

またペダル配置は明白に窮屈だと感じた。日本人の平均的な体型と比べて特別大きいことはまずないのに左足も右足も爪先が側面に当たって踏み込む方向に気を遣わないといけなかった。

旧リネージグレードだったのでシートリクライニングが備わっていたり座面調節が楽だったりしたけれど調節範囲は知れたものだった。

ここらへんは普段乗っているMAZDA3, マツダ車の良さだなと改めて実感した。これらが欠けているから乗れないとか魅力がスポイルされているとまでは思わないけれど、長時間車に乗っていることを助ける立派な機能のひとつだと改めて感じるところで、運転体験の楽しさを押し出すなればこそ良いポジションを取れたらなお良かったのにとは思う。

またマイナーチェンジする前のモデルだったのでAndroid AutoやApple CarPlayに対応していなかったのは不便だった。これは現行モデルでは追加・対応されたので新車を手にするなら特に困ることはなさそう。

むすび

YouTubeでレビューを見るくらいで縁がないだろうなと思っていたA110に乗れてすごく良い体験ができた。

自分の中で「なんとなく憧れていつか乗れたら良いな」というところから解像度が上がって自分の観点において微妙な点や楽しい点をきちんと見つけた上で改めて楽しい良い車だという地に足ついた評価に至った。

一方で改めてNDロードスターの良さを感じたりもした。RFなら2L NAでA110には当然及ばないもののそれなりのパワーがあり、安定のドライビングポジションが約束されており、それでいてワインディングを走る楽しさもあった。何よりA110の半額以下である。

まだ乗ったことはないがメガーヌR.S.も乗ってみたくなった。

と、いろいろ冷静になったようでいてその実、めちゃくちゃA110が欲しくなってしまって困った。

1週間かけて2,000km以上の道程をドライブした

タイトルの通り1週間休んで金沢から各地を転々とドライブしてきた。

今年のゴールデンウィークに広島まで行って連日の長距離ドライブに慣れ、免許をとって1年経つしということでいろいろ行きたいと思っていたところを巡る計画を半年くらい前から立てていて、無事実行できた。

しかし計画といっても旅程はそんなに細かく決めず、どちらかというと仕事まわりの根回し・調整をしていたかんじ。 博多で元同僚と会う予定だけ作ったくらいで、宿とか日毎の予定はほとんど決めなかった。

事前に調べておらず知らなかったけどちょうど全国旅行支援の開始と時期が被ったため、宿の予約がシビアになってきたことを感じたので週末にかかる尾道の宿だけはすぐに取った。

1~2日目: 松江 (島根)

まずは松江へ。月曜日は移動日と決めて北陸道から舞鶴若狭道~中国道~米子道で向かった。三方五胡のあたりまではわりと雨がしっかり降っていた。

松江の宿についた時は降っていなかったけれど、外に出て食事しにいこうと思ったら雨と風が強くなっていて台風みたいな天気になった。しかも間の悪いことにホテルの機械式駐車場に停めた車の中に長傘を置きっぱなしにしてしまい、部屋に持ち込んだ折り畳み傘だけでほとんど用を為さなかった。 まあ風がすごかったので長傘でもだいぶ濡れただろうと思うけど。

けっきょくこの天気ではこれ以上出歩けないと思ったので近くのコンビニでスープとおにぎりを買って夕食とした。

明けて次の日は天気もぼちぼちで、松江城を見てまわり、近くの蕎麦屋で出雲蕎麦を食べた。セットの親子丼が温泉卵を載せるタイプの親子丼でそっちがかなり驚きのおいしさで印象深い。

松江城そばにある興雲閣という明治時代に迎賓館として使われた建物が自由に見学可能だったので見てまわった。ザ・明治建築で良い雰囲気。

それから下道を走り出雲大社へ。京都に引っ越して神社巡りをするようになってからいつかは行きたいと思っていたので、10年近くかけて叶ったことになる。

注連縄は写真とかで見てイメージしていたよりは大きくなかった。遠近感の問題だろうけれどめちゃくちゃ巨大なものを想像していた。

そして夕方から山口へ。ひたすら中国道を走っていったんだけれどほとんど車が走っておらず、真っ暗な高速をひたすら走っているのでだんだん夢みたくなってきた。

途中のけっこうきついカーブで段差を越えたら滑りかけてちょっとびっくりした。

2~3日目: 湯田温泉 (山口)

次は山口市の湯田温泉という地域に泊まった。移動でだいぶ遅い時間になったので途中のSAでラーメンを食べたので当地でなにか食べることもなく終わった。

朝は近くのベーカリーカフェでいただく。湯田温泉駅の近くで線路が目の前にあるのでたまに通過すると小さい窓から覗けるのと音がすごいところだった。

朝をいただいてからちょっと日本海に戻って秋吉台へ。カルストが連なる山道。四国カルストに似た風景ではあるけれど道は広いし、何より山口市内から車で30分くらいの近さなのが良い。

3~4日目: 博多 (福岡)

博多には夕方に着いた。福岡に移住していた前の職場の元同僚と会う約束をしていたので数日ぶりにまともな時間にまともに食事がとれる。

Meetで最後に話したのは1年前とかだったはずだけど、顔を合わせたのは数えたら3年くらい前になるようだった。 一緒に仕事していた時の飲み会となんら雰囲気が変わらなくて、あまり懐しいというかんじもせず1ヶ月ぶりの飲み会くらいの気持ちだった気がする。

天神のあたりの人出の多さとか繁華街特有の変なにおいとか、むしろそういったものたちのほうがよっぽど懐しい。

帰り道の交差点で新型のZを見た。

明けて給油してから高速に乗って大分へ向かう。福岡都市高速は右から左から合流したり分岐したりで目が回りそうだった。 マツダコネクトだけの問題かもわからないけれど、本線から分岐するところじゃないとナビでこのまま直進しろとかの指示が出ないので何も言われないということは直進だろう、みたいなかんじで勘で分岐を進むこともあってへとへとになった。

途中のSAで食べた長いカレーパンを昼食としたサクサクしておいしかった。

4~5日目: 別府 (大分)

朝早くて眠気が来ていたので湯布院の道の駅で昼寝休憩する。日差しが出てやや暑かったことを覚えている。

ここから熊本のほうへ南下してひたすらやまなみハイウェイを走る。このロングツーリングの目的のひとつと言ってよい。

今まで走ってきたことのある山岳道路と一番違うと感じたのは道路の長さで、片側1車線でそれなりの規格・幅をもった道が湯布院から阿蘇のほうまでほぼずっと続いていたので、ただひたすら走り続けるだけで満足感があった。 木々に囲まれた山中から、カルスト台地を臨む開けた場所まで多種多様で、とにかく飽きることがなかった。

秋吉台やビーナスライン、四国カルストもどれも良かったけれど信号もない1車線ずつの山道が30km近く続くというのは他にはなかった。

大観峰という台地を見渡せる場所が、時間的にもよく傾いた日差しがカルストを照らしてとても綺麗だった。

今日の目的地である別府へ向かう道すがらの展望台からの眺めもよかった。狭霧台というところらしい。

夜は寿司をいただいた。隣の席の大阪から来た人に話しかけられてぶらぶら旅するの良いよねみたいな話をして名刺をもらった。

5~6日目: 尾道 (広島)

別府から愛媛の八幡浜までフェリーが就航しているのでそれに乗って四国へ向かう。片道3時間ほど。

渡った先の道の駅で海鮮丼をいただく。蕎麦とかお造りとかを盛るようなめちゃくちゃ大きい皿に盛り付けられていてスケールが大きかった。 海鮮がとにかくおいしく風味豊かなので醤油いらずで箸が進む。

GWに高知から尾道へ向かった時はずっと伊予道を走ったので、今回は下道を走ることにした。Google Mapsで調べると意外と10分くらいしか所要時間が変わらないみたいだった。

途中、道の駅ふたみで休憩する。快晴でだいぶ暑かったのでカフェモカのアイスとカフェオレを食べながら砂浜をただただ眺めていた。

そのまま松山、今治を抜けてしまなみ海道へ。ロードバイクで来た時を含めると3回目だけど何度来ても良いし、何度来ても「あー」ってすべてがどうでもよくなる声が出る。

日が沈む前に尾道に着くことができたのでしばらく駅前のデッキで海を眺めていた。

前回来た時は時間が合わず行けなかった尾道ブルワリーへ。

「店長」がいらしていたので近影を。

酔い覚ましにまた海を眺めていた。日がすっかり沈んだあとの尾道をゆったり過ごすのはもしかしたら初めてかもしれない。 平日ゆえか駅前のベンチにはちらほら談笑している高校生もいて、尾道に来るたびに良いなと思っている。その地で暮らす人に気に入られている場所ほど価値あるものはそうない。

ふりかえり

トリップメーター読みで2,000km以上、だいたい2,200kmほどの道程をほぼ1週間かけて巡った。

ざっくりとしたテーマとして「詰めすぎない」「同じ道はできるだけ避ける」「車で走る楽しさ優先」を設定して投宿地を決めるなどして、これはかなり達成できたのではないか。

詰めすぎないというのは単にその日になんでもかんでもやろうとしすぎないという意味でもあるし、計画を詰めすぎないということでもある。 決めていたのは博多で知人と会うことと、次の週末のうちに家に帰ることくらいで、あとは特に下調べらしいこともせず、行ったその先の気分で好きに行動していた。

食事とかにも特にこだわらず、当地の食事は楽しめたら良いけれどそれを重要な目的とはしなかった。 もちろん車じゃないと行きづらい場所とかもあるから、グルメ重視にしても良いけれど、それにしたってたとえばレンタカーでまた来ることだってできるだろう。 でも今回は自分の車で来ていて、金沢から訪れるにはなかなか気合のいる場所ばかりだったので、自分の車で走って楽しいことを一番に優先した。

GWや帰省、毎月のちょっとした遠出とかでだいぶ自分の体力や集中力に対する見積もり精度に自信が生まれたことで決行に踏ん切りがついた。 車を買ったすぐくらいにこれくらいの長旅をしたいと考えはじめたので、ほとんど1年越しに叶って嬉しい。

次はどうしようか。東北のあたりはまったく行ったことがないので次は雪解け後のシーズンに行ってみたい。

新穂高ロープウェイの星空鑑賞便

星空観賞便 | 【公式サイト】新穂高ロープウェイ

こういうのをやっているのは何年か前に知っていつか行ってみたいと思っていたんだけど、昨日、ついに行けた。

日曜日の午前中に金沢マラソンをやっていて車移動がかなり制限されてしまうので、出かけるなら午後になってしまうけどどうしたものかと考えていたところちょうど思い出して行くことにした。

本当に偶然だったけれど、ちょうどオリオン座流星群の期間中 (極大日は過ぎていた) でしかも運良く雲海も出ていた。

ロープウェイも行き帰りの道中も空いていたのも快適でよかった。ただ日曜日だったからなのかもしれない。

S1Rに35mm F1.4 DG DN Artを付けていったのだけれど、こういうシチュエーションで撮る時にはすごく良いカメラだと感じた。 イルミネーションを点けるボタンが便利だし、それを使わずとも手袋をつけて手探りで操作しやすい操作体系なのが本当に良い。

しかしなぜかトランクに三脚を積んでいたのに持っていくのを忘れたのが本当に悔やまれる。

いつのまにか春と夏にもやっているみたいだった。しかし空気が澄んでいる晩秋が一番良いだろうと思う。