この前、鍵をさしっぱなしのまま家を出てしまい閉じ込めてしまった。
オートロックでどうしようもないし、その日は夜に食事に行く予定があり帰りが遅くなりそうで、他の住人が通りかかるのを待つのはリスクが高かった。

管理会社に電話して合鍵を借りて取り出すことになったはいいが、事務所と家を地下鉄で二往復するはめになり疲れたし、午後はほとんど仕事できなかったのでだいぶ惨めな気持ちになった。

キーチェーンかリールを買おうかと思うけどちょうどいいやつがない。
リールにしたいけど、留め具がすぐ壊れるってレビューがついてるやつか、5個セットで持て余すような商品しか見当たらない。

Panasonic LUMIX S1Rを買って半年

Panasonic LUMIX S1Rを買って半年近くが経った。

買ってからほとんど毎日持ち出したということもあるけど、とても道具として手に馴染んできた。

既にα7R IIIを持っていたので画質面で大きく感動したということは無かったけれど、持ち出してそして撮るのが楽しい。趣味性の高いギミックを備えているわけではないけれど、写真を撮る一連の行為を邪魔しない、という特徴こそが写真を楽しく撮るための大きな貢献者たる所以だろう。

 

それはよく整理されたメニュー画面だったりする。

https://panasonic.jp/dc/s_series/products/s1r/img/operability/s1r_operability_img20.jpg

https://panasonic.jp/dc/s_series/products/s1r/operability.html

 

また、それは大きなボディと引き換えに潤沢に用意されたハードウェアボタン・スイッチだったりする。

個人的に右手グリップから人差し指・中指を伸ばすと届く位置にある2つのボタンが気に入っている。

この内の1つに、気に入っている機能の1つであるモノクロライブビューを割り当てている。名前通り、このボタンを押すとLVFがモノクロ表示になる。

デジタルカメラは、フィルムカメラと異なり好きなタイミングで色味を変えられること、仕上がりイメージそのままをファインダー・モニターで覗くことができる点が特徴だと言われてきて、仕上がりとは別にワンクリックでモノクロ表示に切り替わるのはとてもおもしろい。この機敏さは、単にモノクロプロファイルに切り替えてEVFもそれに追従する、ということ以上の意味がある。

 

ところでS1Rは備える機能が充実しており、ともすればこういった分類や評価をされることがある:

最先端の機能を有してその万能感が商品価値となる家電的カメラ、光学機器としての信頼性を重視した光学的カメラ、カメラと人の交わりを改めてデザインした体験的カメラ。

明確にどれがどれとか書くとゴニョっとしそうですが、α7IIIやLUMIX S1は家電的カメラ、EOS-1D X Mark IIIやK-1 MarkII、D780は光学的カメラ、SIGMA fpやX-Pro3、Leicaは体験的カメラ、かなーという印象。まぁ全部欲しいんですけどね結局は(暴論)。

https://www.gizmodo.jp/2020/03/why-i-use-a-full-frame-dslr-now.html

 

この記事の感覚に通ずる点が無いこともない。自分も、特にソニーとパナソニックはソフトウェアに強く、他社がハード的・光学的に解決ないし充実させる点をソフトウェアに振る傾向があるだろう、という印象を抱いた。それを端的かつ卑俗に「家電的」と表現することもできるだろう。

しかし、LUMIX S1Rを実際に使ってみると、その充実した機能は目を瞠るものがあるし、それら機能はあくまで撮影行為のためにある従の存在にきちんと仕立てられていると感じた。

機能のための機能、カタログのためのカタログに留まっていない。

メニューを開いたりたくさんあるハードウェアボタン・スイッチ類を手にしても、LUMIX S1Rが機能の洪水に溺れているとは感じない。変な話だが、機能がたくさんあると感じたことがない。自分が撮影している中で「こうしたい」「こうしたかった」と思うことが、違和感のないかたちで実現できる。

それは、セミマクロ撮影をしている時に1点フォーカスエリアが広すぎて合焦しないので後ろダイヤルでサイズを拡大縮小できることであったり、手ぶれのリスクがどれほどか手ぶれ補正スコープで可視化されることであったり、シャッターチャンスに備えつつも移動中の不意な設定変更を防ぐ設定ロックスイッチであったり。

LUMIX S1Rを使ってきてフラストレーションを感じたシーンはほとんどない。思い出せるものはない。今まで使ってきたカメラは、半年も使えば文句の1つくらいは思い浮かんだ気もするのに。

 

大きくて重いと言われるが、確かにカタログに並ぶ数値を指してそう評価するのは間違っていない。かさばるし、重い。

しかし、それなりのフットプリントがあるレンズを付けても重心が偏らず、大きなグリップを握ることでしっかり保持できるので、撮影している時に不便を感じることは意外と少ない。

実際、SIGMA 35mm F1.2 DG DN Artを当初FEマウント版を買ったがα7R IIIとのバランスの悪さからLマウント版に交換しLUMIX S1Rで使うようにしてから、かなり相性が良いと感じている。

d.aereal.org

さすがに、片手で持ち歩くにはつらいけれど、ストラップで提げて歩く分にはさほどでもない。自分はちょっとした時ならストラップをつけずに片手で持ち歩くのが好きなので、それが厳しいのは少し残念。

加えてペンタ部のオーセンティックでありつつも懐古趣味すぎない造形はとても好き。

α7R IIIを買って、光学性能を大きく落とさずにコンパクトであることはとてもありがたいことだと感じたので、より小さく写るカメラも好きだ。しかし、レンズ交換式カメラの身軽さというのは、一緒に使うレンズ自体のサイズやバランスと総合して考えられるべきで、そうした評価をしてみると巨大だと揶揄されるほどに悪いものではないと思う。

個人的な好みでは、多分に機能的なので機能美の範疇として受け入れられる。

 

レンズ交換式カメラなのでレンズのラインナップもカメラの魅力といえる。庶民とは無縁なライカ、実用主義的なズームを揃えるパナソニック、Artを中心にした充実の単焦点を揃えるシグマ、とLマウントアライアンスの立ち上げから1年半くらいという期間からするとかなり充実していると言えるのではないか。

強いて言うなら性能はそこそこでもコンパクトな単焦点のバリエーションに乏しいのは難点に感じる。

とはいえ、パナソニックの更新されたロードマップには24mm, 50mm, 85mmの各種F1.8クラスが並んでいるので楽しみ。シグマのDG DN Artの標準単焦点も密かに期待している。

 

肝心の写りに関しては言うことがない。36MPのPENTAX K-1, 42MPのSONY α7R IIIを使ってきて高画素機の写りに慣れてきた節がある。厳密に比較して比べたわけではないけれど、明らかに見劣りすることも優れていると感じることもない。

逆光を積極的に取り入れたり、輝度差の大きいシーンを撮ることが多いので、カメラの撮像性能の中でもダイナミックレンジの広さを重視する。

LUMIX S1Rは、Lightroomで現像処理を行っていてハイライトもシャドウも良く残る印象。不満に感じたことはない。

 

完璧なカメラではないけれど、自分にとって理想的で写真を撮ることにこだわりきれるとても楽しいカメラ。写真を撮ることが週末の特別で覚悟のいる行為になりかけていた自分が、毎日持ち出して「どんな写真が撮れるだろうか」「どんな景色に出会えるだろうか」とワクワクするようになれた。安い買い物ではないし、そもそもα7R IIIが既にあるのに買い増して、まったく非合理だけれど、それほど狂わせてしまう魅力に満ちている。