この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

雨の日の植物園。

 

ほとんど誰もおらず、広い園内には雨音だけがある。

 

 

傘をさすと雨音が近い。今日において雨音は傘を叩く音か、ややノスタルジーをまとったイメージのトタンを叩く音だろうか。

 

傘もトタンもない時代の雨音はどんなだっただろうと考えた。

そういう他愛ないことをあれこれ考えつづける程度には静かで遠い音だけがあった。

 

雨の日の散歩が楽しくなってきたので京都御苑を歩いた。

 

雨雲でくすぶる空は日没の時間が曖昧になる。

暗く落ちたあと、地面に落ちた街灯の灯りをモノクロのファインダー越しに眺めてものの形だけを捉える。