この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

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土曜日に自転車に乗って鯖街道経由で白髭神社をかすめつつ京都に戻るという活動をした。

上賀茂神社近くのコンビニで同僚と待ち合わせてスタートした。いつも見かける通勤用ではなく「お楽しみ用」のロードバイクの実物を目にして、中学生のころに放課後や土日に私服姿の同級生と会ったときのような気持ちになった。

このあたりは普段、原峠を通る道しか走ったことなく賀茂川右岸を走るのは初めてだった。市原バイパスを走って江文峠に出てきたときは RPG で裏道を見つけた時のような、自分の頭の中の地図が少しずつ埋まっていくような小さな達成感があった。

先を行く同僚のケイデンスを目視で予測しながらギアを変えていく。坂を登るのが上手い人は細かく変速するらしいけれども、たしかに細かくリアが変わっていた気がする。

あとハンドルを持つポジションも参考にした。バーの部分を持ったり、ブラケットを握ったり。ブラケットを握り込む時と肩を持つ時ともあって、そうかそういう細かい違いがあるのか、ということに気がついた。

大原を越えて途中峠、花折峠を通る。ケイデンスは低いままだけれども、息はあまり上がらずまあまあのペースだったのではないかと思う。ペースメイカーがいると走りやすい気がする。

初めて自転車でトンネルを通ったけれども怖すぎた。下りでどんどんスピードは出るし、路面に堆積物は多くてパンクしたり踏んだ石が飛んだりしないか心配になるし、トンネルに車の音が響いて距離感が失われるし、大型車なんかがやってきたら地の底から響く重低音だけが聞こえるという有様だった。

無事に通過できたのでよかった。

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途中で鯖寿司を食べた。生と焼いたものを2本頼んで分けた。

寿司を食べてから東に折れて滋賀県に向かう。特に大きな坂もなくだいたい平坦。田園風景が続いて眠たくなる。

周りに車や人が増えてくると、それまでの山の中の集落という雰囲気とは変わって地方というか田舎っぽい雰囲気があった。大型のワンボックスカーを路駐してタバコをふかしている人、発進する軽自動車と併走する金髪の人、カマキリハンドルの自転車に乗っている人、道路が離合するところでノンブレーキで迫りくる軽トラックに乗った老人。

意外と琵琶湖は遠く、相変わらず景色は変わらずだいぶ飽きたけれどもやっと湖周道路に出るとちょっと気持ちが高揚した。滋賀県に来たという気分が高まる。

しばらくすると琵琶湖が見えてきて眠気も飛んだ。キャンプ場を通るとテントを張っている家族がいた。比良山系の山並みの向こうが少し橙に染まる。丸一日ほとんど曇りだったけれども、最後はそういう顔も見せる。

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白髭神社に着くと思ったよりも人がいた。普通の観光地という雰囲気がありつつも、水上に浮かぶ鳥居は不思議な神々しさがあった。厳島神社とはまた違う、水平線まで穏やかな湖面が広がる風景。

途中、コンビニで休憩してから途中峠に戻って大原へ出ていく。

大原の集落に出たところで、縁石にタイヤの側面を擦った拍子にバランスを崩して転倒した。その時に変な付き方をしたのか左手の小指が少し、しかし一見して「ありえない」と思う方向に曲がっていて、「これはやってしまったな」ということに気がついた。

しばらくすると見る見る腫れてきて痛みも出てきたので大変な雰囲気が出てきた。幸い車は通っておらず巻き込み事故は避けられた。左に転倒して左半身を地面にぶつけて、目立った外傷は左手小指のみで、あとは腰の打撲くらいで比較的軽傷だった。

ヘルメットと手袋をしていたのは本当によかった。特に、転んだあと左手を見ると、掌の部分の生地が擦れていたので、もしも手袋をしていなかったら擦り剥いていただろう。

同僚ふたりと走りに出ていなかったらバスもあまり走っていない大原でひとりどうなっていたことか知れない。しかもこの時、ケータイのバッテリが切れていた。

自転車を載せてくれそうなタクシー会社に電話をかけてみてもらうもどこも取り合ってもらえず、車を持っている上司に連絡してもらうことにした。

休み中にこんな手間をとらせてしまって心苦しく思いつつも、しかし他に頼るあてもなかったので本当に助かった。

救急の外科で診てもらい微かに骨折しているという診断を受けて指を固定してもらった。

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病院は何度着ても気分のいいところではなく、特に中に入ってからその雰囲気に呑まれて具合が悪くなった。

周りの人に助けてもらい迷惑はかけっぱなしでよくなかったと思う一方、不謹慎ながらそれでも楽しかった。

しかし左手小指は仕事に差し支えは出るし、愛車の左シフトレバーは曲がって (ずれて?) しまった。

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見るたび痛々しくて悲しくなるし、しばらく乗れないのかと思うとやはり悲しくなる。

  • よかった
    • 琵琶湖沿岸を走った
    • 白髭神社を訪れた
    • 峠をいくつか走破した
    • 100km程度走るときのペースのつくりかたを知った
    • (転んだものの) ヘルメットと手袋で大事に至らずに済んだ
    • 体調を崩さなかった
  • 残念
    • 怪我をした
    • 完走ならず
  • 次こそは
    • 完走する
    • 怪我なし