人のすがたを写真に捉える

結婚パーティとかバーベキューで、人の写真に撮ってみていろいろ発見があっておもしろい。

自分と相手との距離が如実に表れる。よく会話する人には踏み込めるし、そのぶんすてきな表情を引き出せた。
一方で初対面だった子どもは、どうしても距離があるし、表情に乏しい。
また、恋人や夫婦のプライベートで開かれていない一瞬なんかは、(本人らにそのような意識はなかったにせよ)ファインダー越しの視線を拒絶されたように感じることもあっておもしろい。

その他、実践的なこととして、とにかくシャッターを切らないといけないとか、超音波モーターを使っていないレンズならばMFがよいとか、ブレないだけのSSが確実に稼げる絞りと感度にしておくとか、80-100mmくらいの望遠が使いやすい、とか。

だいたいこの人(たち)はNフレーム、N秒後にこういう動きをとっているだろう、という見当をつけて、その前後にとにかくシャッターを切る。
スポーツなどをしていなくても、被写体としての人間は静物ではなく動物なのである、ということをきちんと考えないといけない。

超音波モーターで駆動しないレンズはAF駆動音がうるさい。音がすると人は撮られると強く意識してしまうから、静かなほうがよい。
動体であるのでAFに任せられたらそのほうがよいと思うけれど、そうできないならMFもやむをえない。
その場合は、ピンボケを防ぐために被写界深度を稼ぐなどもしたほうがよかった。

明るい中望遠~望遠があるととても使いやすい。
TPOによりそうだけど、望遠ズームは、せいぜいF2.8なので明るさが足りないのと、大きさで威嚇してしまうこと、そもそもズームしてる暇なんてなさそうなのでシャッターチャンスはあまり増やせないのではないか、という考えがあって、有用性はあまり高くないと思う。望遠ズームを使ったことがないので、慣れたらすばやくズーミングできるものかもしれない。

僕は DA☆ 55mm F1.4 と FA 77mm F1.8 を持ち出したことがある。
どちらも日常的にスナップや神社などで使い慣れた画角、レンズなので一本だけで迷うことはなかった。
ちなみに屋内の結婚パーティでは 77mm, 屋外のバーベキューでは 55mm を持ち出した。
ちなみに35mm判換算で、それぞれ 85mm くらいと115mm くらい。

一般的に屋内は狭いので画角が広いほうがよいという風に説明されるけれど、結婚パーティはあまり被写体との距離を自由に詰められないこと、人が多いので余計なものが写り込まないように整理する必要があるので、少し長いほうが便利だと判断した。
実際、撮ってみて 77mm で正解だった。MF なのが大変だったけれど。

結婚パーティは割と定型的なイベントもあり、シャッターチャンスもざっくりとこことここ、というかんじで決まっているし、写真を意識してくれたりするので、ポートレートっぽい撮り方だと思った。
なのでワーキングディスタンスの長さも気にならない。
被写体と直接コミュニケーションするのではなく、晴れの舞台に立つ人たちの姿を眺める、という感じ。

一方で屋外のレクリエーションには 55mm を持ち出した。
屋外なのでほぼ際限なく動き回れること、自分も参加するイベントなのでワーキングディスタンスは短いほうがよいのでこちらを選んだ。
本当に動体撮影というかんじで、目まぐるしく表情や立ち位置は変わるので、気が抜けない。しかし気を張りすぎると周りに伝わってしまいそうなので、適度に緩めて楽しむ。

撮っていたときはもう少し近づけたらよいと思ったけれど、写真を見返してみると、これ以上画角が広くなると説明的になって整理がむずかしくなるな、と思った。
「ここに立って」など指示・作為を持ち込むのもなかなかむずかしいし、その点、引くことで整理できる 55mm でよかったかな、と思う。

これまで被写体としての人間はあまり意識していなかったというか、嫌いでさえあったけれど、少し気持ちは変わりつつある。
また、一口に人を撮るといっても、場所や機会によってアプローチが変わってくること、今まで自分の中でスタンダードだった「その瞬間瞬間に応じてよりよい捉え方を都度考える」というやりかたとは対照的な、あらかじめ予測しておいて適切な捉え方を用意しておくというやりかたで写真を撮るのはスポーツみたいなストイックさがあっておもしろかった。