この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

月曜日は春日大社に行った。 本殿や表参道は人も多く賑っており、夏で特別な催しもないとはいえさすがは観光地であるなあ、と思った。

南の方に外れて御間道を歩き始めると喧騒が薄れ、遠く響く蝉の声や、西日のつくる影が、たいへん神々しく思えて確かに神域の中にいるのだな、という気持ちをあらためた。

紀伊神社の方まで巡り、いつの間にか上の祢宜道に踏み入れていたようでひたすらに西日のつくる影に向かってシャッターを切り続けていた。

気温は高かったものの思っていたよりも蒸し暑くはなく、時折感じる涼しさも、やはり神域に吹く風なのかな、と考えていた。


帰りは近鉄奈良駅のあたりから JR の駅まで歩いた。奈良の三条通りは歩道が広く、どことも付かない、初めて見る実感の強い風景だった。思い出したのは夏の東京だった。


東福寺から京阪に乗り換え、枚方市から茨木市へ。半年ぶり。京都に住み始めてよかったことのひとつは、前に住んでいた土地が近く、気軽に訪れられることなのではないか、と思う。

狭く曲りくねった道だとかは京都の風景と違って、強く何かを思い起こさせる。