この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

風邪をひいた。胃腸にくるやつみたいで散々な目にあった。

月曜日の朝4時ごろに吐き気がひどくて目が覚めたので、気分を紛らわせるために iPad でだらだらインターネットを15分くらいしたけどよくなる気配はなかった。

夏の終わりに、食べすぎてどうにも胸焼けがひどかったときには外で風にあたれば和らいだので、今度もちょっと外に出ればよくなるだろう、と思って外に出た。

15分くらいしてお腹にたまったガスのようなものが抜けた感じがあったので、家に戻った。

ところが、家に戻った途端にものすごい吐き気を催して、これは覚悟を決めなければいかん、とビニール袋をもってトイレに入った。

わざわざビニール袋を持って入ったのは、この時点でお腹が下り調子である気配があったから。あと、もう10年前くらいにお腹にくる風邪をひいたときは、上と下から同時に戻す体験があったから。

けっきょく上から戻すことはなかったけど、腸のほうは下りっぱなしだった。腸がまったく働いていないかんじで、半年に1回は遭遇する下痢の一番すごいやつだった。液状というかほとんど水しか出なかった。

いまこうして冷静に思い返していると、どう見ても食べすぎの症状ではないが、しかしこのときの自分の判断能力はすこぶる落ち込んでいた。

手足はがくがく震えるし、どれだけ下してもよくなる気配が見られない。吐き気も収まらない。トイレに座り込んでうめいていた。もううめくことすらつらくて、声が出るのか胃からなにかが込み上げるのかわからない、といった調子だった。

次第に視界が狭くなってきて、喉はカラカラになってきて、もういよいよどうにかなりそうだった。

家に常備薬などはないし、コンビニに買いにいける状態でもなかったので、どうにか調子が小康状態になったときを見計らって電話で救急車を呼んだ。

それからのことはあまり覚えていなくて、気がついたら病院で寝ていた気がする。

そのときは不思議に調子がよかったので、一旦帰宅してから会社に向かった。

会社に着いてから、途端に頭痛や寒気、節々の痛みが出てきて、これは風邪なのでは、と思い至った。思い至ったときにはもうどうにもならない、みたいなかんじで声を出すのも精一杯みたいなかんじ。

同僚の方が病院を勧めてくれて、予約もしていただいた。申し訳ないから、と断わる余裕さえなくて、二度目のピークがきていた。

畳で横になって、近くの病院が開いてから早退した。昼にやってきて具合を悪くして帰っただけだった。

会社の近くの病院は何度か通ったことのあるビルに入っていて、とても綺麗だったのだけど、それがむしろうさんくさくて、そもそも街中にある病院はヤブかぼったくりしかないと思っていた。

とても丁寧な先生で、いまこういう症状が出ているのは体がこういう働きをしているからなのだ、といった説明をしっかりとしてくださった。

点滴をしてから処方する薬について説明するときにも、こういう症状はよい働きなので無理に抑えることはしません、という風な説明があって、たしかに今、冷静になって考えると、そうなんだろうな、と思えるが、体調が悪くて判断能力が著しく落ちているとき、不安なときにしっかりとした説明を受けられるのはとても安心できる。

帰りは医師の先生の勧めに従って、インスタントのおかゆとそれを湯煎するための鍋、スポーツドリンクやカイロなどを買って帰った。

19時くらいからずっとベッドで横になって半分眠っていたけど、体調悪いときの例に漏れず悪夢を見ていた。

寝る直前まで Gmail に来ていた自分のチームや他のチームの GitHub Enterprise 上での開発の様子が見えて、それが脳裏に焼き付いていて、夢の中でコードレビューをしたり、実際にコードを書くのだけれど、30分おきくらいに目が覚めて、目が覚めるといままでやってきたことが失われていることに気がつくので、また束の間の浅い眠りの中で必死でコードを書いたりする、というようなことがずっと続いた。

記憶にある限り救急車に乗るのは二度目で、一人暮らしを始めてからこんなに重篤な体調不良に陥るのは初めてだった。一人暮らしで冬の早朝に身動きもとれないような体調不良になるとほんとうに死が近づく感じがする。

今日になってやっと体調がよくなった。