この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

インターネットを見て楽しい気持ちでいる時間がずいぶん減ったように思う。

楽しいとか楽しくないとかつらいとかつらくないとか悲しいとか悲しくないとか、そういうことを感じる、一喜一憂するのもめんどうだ。

何も感じたり考えたりせずになんとなく漂っていたい。人間らしくありたくない。食器用洗剤みたいになりたい。ぬるぬるするするしていて水みたいにきれいなようだけど、誰も飲んだりしない。なんとなくきれいな見た目であるような気がするけれど、誰も積極的に飲まない、というのがいい。

「つらい」と口に出すのもつらい。つらいとかほんとうに感じているのかわからない。わからないということがわからない。わかるということがわからない。なにかわかっていた気がするけれど、なにもわからなくなった気がする。

本当は人間は死なない気がしてきた。本当は誰も困っていない気がする。本当は自分以外にはたったひとりの他人しかいなくて、自分が目撃するたくさんの「他の人たち」は、そのもうひとりが枝分かれした枝、蛸の足、葉っぱ、ではないかという感覚がある。

だんだん自分が薄くなっている気がする。伸びて伸ばして薄くなってそろそろなくなる気がする。小学生のころに見た繊維を水に浸してふやふやにとかして紙をつくるときの繊維のようにふやふやになる。

たしかにそのときそのときで自分はなにかを感じていたはずなんだけど、いまの自分にはそういう記憶がなくて、なにもなくなっていて、なにもない。わからないということだけがわかる。わかっていたことはわからなくなった。

うまくやっていくための方法とか見つけていたはずだけどいつも忘れる。毎日見つけている。毎日忘れている。毎日忘れているから毎日探さないといけない。

なにかおかしくなっていることはわかる。それだけはわかる。しかしそれはほんとうにわかっているのか。知ってる?