街を自転車で走っていると、バス停で高校の同級生二人が立っていた。吹奏楽部の子で、一人は知り合いというか友達だった。二人は高校の時の制服を着ていた。

遠目からでも同級生だとわかって、久しぶりに会えて嬉しいという気持ちもあったが、それ以上に顔を合わせたくなくて、そのまま無視して通り過ぎていった。

去り際、驚いたような悲しげな顔をしていたように見えた。おれの願望かもしれない。むこうも気付いて声をかけられることを期待していたかもしれない。だが、声はかけられなかった。漠然と、もう誰とも会いたくない、という気持ちだけがあった。

高3のとき、最後の年にいい友達に会えたなあ、とおもったことは確かなはずなのに、いつのまにか会いたくない人になっていた。

いや、会いたくないのではなく、自分が人に会わせる顔がないだけなんだ、ということに気がついて、自分は何をやっているのだろう、とおもったところでトラックに轢かれたところで目が覚めた。