ギター

この記事は筆者が見た夢を一人称視点で叙述した内容です。事実ではなく、実際の人物等とは一切関係ありません。

ギター

あんまりギターの音って好きじゃないな、と思った。アコースティックもエレキも。 でも弾くのは好き。だと思う。ギターを弾くのは好きだけど聴くのは好きじゃない、とかだと思う…。

ギターの音って硬くて冷たいのに、暖かくて豊かな音を至高とする考え方があって、 こじつけるように「ヴィンテージならではの…」とかたくさんの文句がつけられる。

有名なハンドメイドエフェクターの製作者が雑誌のインタビューで 「いわゆるモダンな音とかあるけどそんなのヴィンテージの贋作で、中域が出ていて云々なヴィンテージな音じゃなきゃダメなんですよ」 って勢いで喋っていた。すごい勢いで血の気が引いてきて、こういう人たちのことを老害って言うのかな、とか思った。

「暖かくて中域の出た」音を出す楽器が正義なら、なんでギターを選ぶんだろう。 ギターが好きでギターで「いい音」を出したいなら、ギターにおける「いい音」を模索したほうがいいのに。

彼らの言う「いい音」というのは、たとえば青春時代を共に過ごしたロックバンドの出す音だったりするんだろう、結局のところ。 それは「好きな音」として区別するべきなんじゃないの? 好きなものが正義として認められるということに価値を見出す人がいることも知っている。 けど、そのエゴイズムでもって「いい音」のあり方を駆逐するという人は、たとえ音楽の発展に貢献するような才覚を持っていても、 やっぱりいなくなってほしい。

結局のところ、世の中にあふれている「自分らしさ」とか「個性」というのは、垂らされた釣り餌のようなもんだと思う。 病気みたいな考え方をしている人たちが、その病気を感染拡大させるための触媒と言ってもいい。

あほくさ。