恋は光

1巻を読んだら引き込まれたので、まとめて買って一気に読んだ。

恋をしている人が光って見える主人公を中心としたラブコメ。登場人物が達観しているというか自分自身を俯瞰して見られる人たちばかりなので、自意識に呑まれて暴走して話が動くような類の物語ではなく、ひたすら恋とはなんなのかと悶々しながら起こす行動が少しずつ他人に刺激を与えて進んでいく……そういう物語。

みんな内省的なのにたまに突飛な行動をするのでどんどん話が転がっていくのがおもしろい。けど確かに、いくら物思いに耽りがちな人であっても学校や職場にいれば少なからず人と関わっていて、人と関わるということはなにかしら行動せざるをえないよなあ、とか考えていた。

北代さん、最初はいわゆるラブコメで主人公をサポートする男友達みたいな人なのかなと思っていたらなんと渦中の人で、というのがいい。1話のやりとりを回想する話が最初の山場だった。
なんで西条さんはあんなに堂々と「いないだろう?」「好きになったことないだろう?」なんて言えるのか、いろんな意味で……。

北代さん、表情豊かで髪型や服装がころころ変わって可愛くて好きなんだけど、そこはかとなく薄幸なかんじがする (作中でもそういう評価を面と向かって言われている) なあと思ってどんより暗い気持ちで読んでいたら、6巻でまさかの……ですよ。

2人にあわせて自分も「え?」ってかんじ。しかしこれはガッツポーズものだった。

次巻で完結するらしく、はたしてどうなるのか。『クズの本懐』みたいに全員幸せにならない平等エンドなのか、『ニセコイ』みたいにルートが確定するのか……。

しかし北代さんが積立てた薄幸フラグは6巻の急展開をもってしても余る気がしていて、もう一発卓袱台返しが来ないかドキドキする。なんにせよ7巻が楽しみ。

恋は光 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

恋は光 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

恋は光 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

恋は光 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

恋は光 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

恋は光 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

恋は光 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

恋は光 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

恋は光 5 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

恋は光 5 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

恋は光 6 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

恋は光 6 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

海が見たくてクロアチアに行ってきた


クロアチアに行ってきた。人生で初めての海外旅行。

瀬戸内海も日本海も太平洋もあるじゃないか、というのはもっともだけど、なんとなくどこかに行きたくて、山というよりは海を見たい。なぜなら標高を稼がずに済むから。

関空を出る飛行機がエンジンの不調で2時間遅れで出発、飛んでいる最中もシベリア上空でよくて不時着、最悪墜落したら笑えないなと冷や汗をかきっぱなしだったけれど、無事に帰ってきた。

行き先を決めるまで

スコットランドに行こうと思ったものの行動に移らないまま1年、2年と過ぎる。

何をためらっていたかというと、とにかくなにもかも未知だったことに尽きる。治安はどうなの、どういう見所があるの、食べ物は合うだろうか、何日あればいいのかわからない、予算いくらあればいいのかわからない。

ひとつずつ未知を潰すことを決め、まず旅行会社のツアーを6泊7日で探し出して、相場感を養った。候補はスコットランドとフィンランド。ヨーロッパに行きたいという気持ちがずっとあったのでヨーロッパで探した。
なるほどこれくらいね、という相場がわかって吟味に入る。

フィンランドは直通便がある。夏場だとヘルシンキが主で、船でエストニアのタリンに行くというプランもある。冬場には北のほうでオーロラ鑑賞もあるみたいだけれど、基本的に南のヘルシンキ周辺に人口も集中しているので、ここらへんが旅行の中心になりそうとのこと。

スコットランドは広いので湖水地方を見たり海沿いを見たりしたいけれど、けっこう移動時間に食われそうということがわかる。別にスコットランドだけじゃなくてもいいけど、イングランドなどを巡ろうなどと考えはじめるといよいよ足と時間が足りない。

どちらも行ってみたい国だけれど、決め手に欠けるなあと悩んだので、他の行き先について考えてみる。試しに行きたいところを思いつく限り挙げてみるものの、失敗だった。とにかく挙がるけれど調べるのが大変だし、そもそも決め手はなに? というかんじになる。

落ち着いて考えてみて、海とか山とか花とか自然を見ることを目的にしたらいいかなと思いはじめた。ずっと日本の盆地暮らしなので、気候や地形が違うところを見てみたい。
美味しい食べ物を食べられたらいいけど、それは第一の目的じゃなくていいかなと思う。

いい写真を撮る人たちの日記・ブログを眺めているうちに id:wonodas さんのクロアチアに行ってきた日記を読んで、アドリア海ってこんなに透き通っているのか!!! ていうかクロアチアって南米じゃなくてヨーロッパなのか!!! と驚いた。
(サッカーが強い国という知識しかなかった、サッカーが強いということは南米? くらいの雑な認知だった)

wonodas.hatenadiary.com

急に魅力的に思えてきたし、折りしもこの頃に米澤穂信の『さよなら妖精』を読んだところだったので、クロアチアにしよう! と決めた。

さよなら妖精 (創元推理文庫)

さよなら妖精 (創元推理文庫)

旅程を決めて出発まで

調べると日本からクロアチアへ直行便が出ていないことがわかった。乗り継ぎは必須で、しかも初めての海外なので旅行会社のツアーを選ぶことにした。

最初は6月に行こうと思っていたけれど、ハイシーズンに差し掛かっているようで急に価格が上がったのでGW明けの5月とした。

旅行会社とのやりとりは不明瞭なところもなく、価格の内訳について尋ねたらきちんと回答をいただけた。
(「この名目はサイト上で1名時のチャージですか?」とかそういうかんじ)

ツアーといってもホテルと航空券の手配だけしてくれて、添乗員とかはなし。

予約が済んだのが2月頃で、出発までしばらく時間があるし、初めてのことなのでいろいろ必要なことを見落としたら困るのでTrelloでやることを管理した。

f:id:aereal:20170530132237p:plain

クロアチアでのこと

クロアチア旅行 - 『言葉を吐く』

はてなブログのAndroidアプリで毎日寝る前に日記を書いた。

今回はザグレブとドブロヴニクを巡ったけれど、スプリトや、ボスニア・ヘルツェゴヴィナのモスタルがドブロヴニクから近いので、もう2〜3日足してそれらまで足を運んでみたい。

写真たち

クロアチア旅行 - A moment.

写真ブログに載せていく。

FA 31mm F1.8とFA 77mm F1.8, DA☆ 55mm F1.4, DFA 15-30mm F2.8を持っていった。言い換えると手持ちのレンズの内、DFA☆ 70-200mm F2.8以外すべて持っていった。

70-200mmを持っていこうか悩んだけれど、出発前にかばんに入れて重さを計ったら8kgをオーバーしたので踏ん切りをつけて持っていくのをやめた。

f:id:aereal:20170530132802p:plain

写真を撮ってて「あれがあれば」と思いはじめたらキリがないけど、帰ってきて蓋を開けてみれば55mmで撮った写真が一番多かった。

明るさとか画角とか、未知の場所を歩くのになんだかんだと重宝した。普段撮っていてそんなに慣れているとも思っていなかったのでちょっと驚き。

55mm1本でよかったかも? と思うものの、広角じゃなければ! という場面もあったので、まあまあ。

クロアチアその5.5

5日目、明日は移動日なので今日がクロアチアを自由に動き回れる最後の日。

予報では天気が悪そうだったので心配していたけれど、起きて見てみればピーカン。昨日よりややゆっくりめにホテルを出る。

今日はロクルム島に行く。ドブロヴニクの南西にある小さな無人島。

旧港までてくてく歩いていくとパラソルの前に人が並んでいて、これがチケット売り場だった。120Knで往復。高い。

船で沖合に出ると風が吹き込んできて気持ちいい。



旧市街と打って変わって喧騒から遠い森の中で孔雀の鳴き声を聞きながら散歩。


死海 (Dead Sea) と書いてある方に向かってみる。思ったより坂がきつい。というか軽く登山めいてきた。

https://www.instagram.com/p/BUbeElJhpQR/
https://www.instagram.com/p/BUbeElJhpQR/

途中、ここから先にヌーディストビーチがあるという看板を見た。もちろん手にカメラがあったのでそのまま回れ右。

周遊する船から見えるところにビーチはあったりするのかな、とちょっと気になった (別に見たいわけではない)。


植物園を通ったら廃墟に出会った。重機がいたので工事中なのかな。


道すがら岩場があって降りてみた。穏やかなアドリア海と石灰質の険しい岩場に落差があっておもしろい。

山の上に要塞があるみたいで眺めがよさそうなので目指していく。しかし11時半くらいで太陽は南中しかかっており、おまけにけっこうきつい。

朝は小食だったのでおなかも空いてきてクラクラする。

しかして山の上まで歩き、アドリア海を見渡す。吹き込んでくる風が気持ちいい……。思わず日陰に座り込んで水を飲み休憩。だんだん頭痛がしてきて、いよいよ限界っぽかった。無事に頂上につけてよかった。

体を触ってちゃんと汗が出ていることを確認。心拍も確認した。こういうときに心拍計つきの時計を買っておいてよかった。



頂上にはもうひとつ砦の廃墟。



中に入ることができた。本物の廃墟で、中は照明もなにもなく、少し埃くさい。昼間で周りに人もいるけどけっこう怖い。

さすがに疲れてきたので、降りて島の中にあるレストランで昼食。

https://www.instagram.com/p/BUb0rh-hfAB/
https://www.instagram.com/p/BUb0rh-hfAB/

レモネードとマグロのステーキと野菜のベッド。バテた体にクエン酸が沁みる。マグロはミディアムレアで、刺身を食べ慣れた舌に嬉しい。胡麻でコーティングされて食感もよい。
バケットがついてきたけどステーキと野菜だけでお腹いっぱいになったので手をつけなかった。

エプロンをした明らかにウェイターっぽいウェイターと、ジーンズにシャツのカジュアルなウェイターがいて、シャツだけのウェイターにMay I help you?って聞かれて、なんでこの客はウェイター然として話しかけてきたんだろう? 本当にウェイターなのかな? と半信半疑でCan I order?って聞いたらYesと言われたので信じてオーダーした。
オーダーしたあとも注文が通るのか、やはり半信半疑だった。

食事を出されたらEnjoy!って言われるのが、なんかいいなと思った。「どうぞごゆっくり」とかもいいけど、素朴にEnjoy!って言われるとエンジョイするかーって気持ちになる。


お腹も満たされて満足したので帰ろうとしたら若干迷って海辺に出たので、ベンチに座って休んだ。まだ疲れが残っている。

孔雀に出会った。

https://www.instagram.com/p/BUcN11eBdXi/
https://www.instagram.com/p/BUcN11eBdXi/

旧市街に戻ってWar Photo Limitedに行ってきた。ユーゴスラビア独立戦争の常設展と企画展をやっている。この日はガザ侵攻の展示だった。

ガザ侵攻は2014年。恥ずかしながらガザ侵攻がいつの出来事だったのかよく知らなかった。写真を通しガザのパレスチナ人 (アラブ人) たちを目にして、はじめて人々が亡くなる紛争がここ数年のうちにあったのだなあ、とやっと腑に落ちた。

自分が生まれた直前直後くらいにあったユーゴスラビア独立戦争は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナに地雷がたくさん残ったことくらいしか知らなかったし、そもそもユーゴスラビアがどこにあったのかもわからなかった。

写真展示を見ながら、テキストを読まなければ一体どことどこの戦闘なのかわからなかった。それもそのはずで、交戦している兵士の双方の顔付きが似ている。

民族という実体をいまいちうまく捉えられていない。単に「〜人」と言ったとき、身体的な特徴や起源による分類を想起する。後知恵だけどこれは (自然) 人類学的分類といったほうがよさそうだ。

ボシュニャク人、セルビア人、クロアチア人などは民族的分類であり、人類学的分類では南スラヴ人、ディナール人種にあたるとのこと。
民族国家 (nation state) に対する理解・知識がぜんぜん足りないなあと痛感する一方、ユーゴスラビア独立戦争について「未摘出の地雷だらけのボスニア・ヘルツェゴヴィナ」以上の知識は得られたように思う。

さてWar Photo Limitedも見たことなのでホテルに帰る。もうこの旧市街ともお別れかと思うと寂しい気がした。雲が広がってきて「もうこれでおしまいだから」と言われている気がした。
もっと天気がよかったら踏ん切りがつかなかったかもしれない。


最後の夕景を収めようとホテルの前のビーチへ。

写真を撮っていたら座っていたカップルに「撮ってあげようか?」と声をかけられた。けど気恥ずかしかったので断って、それからちょっと考えて「写真を撮ってもいい?」と声をかけて撮らせてもらった。
こんなこともあるもんだなあ……。

一旦別れて、しばらくぼんやりとしていた。帰り際にまた声をかけられた。「ビールあるから座って飲んでいきなよ」と。明日早いし帰りたい気もしたけどせっかくなのでお招きにあずかった。

クロアチアのビールを差し出された。なんとなくここらへんの人たちはワインが好きそうなのにと不思議に思っていたら、二人はドイツから来たと言っていた。車でスプリトを経由して来たとか。

話してみると同じホテルだったらしく設備が貧相で綺麗とは言い難かったホテルの愚痴を話したり、ドブロヴニクは観光客でごったがえしているけどスプリトは静かだったよ! とかそういう話をした。
Japanを「ヤパーン」と発音するのを聞いて、ああ本当にドイツ語話者なんだなあ、なんて思っていた。

明日早いのでそろそろ帰るね、と挨拶して別れた。

最後の最後まで素敵なできごとの多い旅行だった!!

クロアチアその4

夜中が思ったより冷えて目が覚めてしまった。
備え付けの毛布をかけることになるとは。

朝食を食べるために外に出たときに浴びた朝日が気持ちよい。

人で混む前に城壁へ行きたかったので8時半のバスに乗るもののバスは混んでいた。

城壁のチケットは昨日買ったDubrovnik Cardで引き換えた。

https://www.instagram.com/p/BUYsF8cB68Y/
Instagram
https://www.instagram.com/p/BUY06Q6B3IP/
Instagram

城壁はもう最高。写真を撮りながらぼちぼち歩いて一周するのに1時間半くらい。

うっかりサングラスを忘れてしまったのは厳しかった。
ほんとに日差しがきつい。

日差しがきつくて汗をかくけど湿度は低いし海風が吹くので不快ではないけど消耗したことに変わりはないので休憩。

https://www.instagram.com/p/BUeJNyzhtYH/
Instagram

路地に席のあるカフェでレモネードを飲んで体力回復。
natural juiceと書いてただけあって砂糖の甘味がなくてストイックながらさっぱりしておいしい飲み口だった。

休憩が済んでからケーブルカーでSrď山に登った。高いところはよい!

https://www.instagram.com/p/BUZASouhjOa/
Instagram

ディナル・アルプスは石灰質とのことで、日本ではなかなか見ない景色立った。

即ち、白くゴツゴツとした岩地と貧相な植生。

ケーブルカーのケーブルがフレームインして悩ましいけど一番高いのがいい。

雲が出てきて小雨が降ってきたので、独立戦争博物館に行く。

旧市街に戻ってきて、昼食をとる。

https://www.instagram.com/p/BUZOrKfBNMH/
巨大なエビバーガー

細い路地にあるファストフード店でエビバーガーを買う。思ったより大きい……。

Zagrebのことを思い出してI'd like to take it awayで通じた。

食べるところを探さねばならないのだけれども、どこも人が多いので悩んだ末に旧港を道なりに歩いた先にある海辺がいいかんじだったのでここでいただいた。

同じようにシートを敷いてちょっとしたピクニックを楽しんでいる人もいる、と思ったら水着で海に入ったりしていた。

エビバーガーは美味しかったけど量が多かった……。昼間歩きすぎてバテていたのかおなかも壊した。

あまりに暑いので一旦ホテルに戻ってシャワーを浴びて休憩。
見たいところは一通り見たしあとはSrďからの夕景かな、ということで部屋でKindleで読書。

さっきまで周りからは英語やクロアチア語、その他様々な言葉が飛び交うのを聞いていたのが嘘かのように意識がふわふわして、自分がどこにいるのかわからなくなる。

19時くらいになって再び旧市街に行こうと部屋を出るときに、はっきりと自分にここは日本ではないクロアチアだと言い聞かせないと英語のやりとりができなさそうだった。

https://www.instagram.com/p/BUZ2HIYBG9g/
😹

再びケーブルカーでSrďに登る。

空と海が水平線で溶けた。

https://www.instagram.com/p/BUZ71YGhzut/
Instagram

帰りの旧市街は石畳が反射できらめき始めていた。
遊ぶ人たちはまだまだこれからなんだろうな。

夜はどこかで食べようか考えたけどエビバーガーと暑さでグロッキーになったので今日はおしまい。