日曜日、低気圧のせいなのかかなり頭痛がひどくて夕食を食べたあとにたまらず薬局で頭痛薬を買って飲んだ。

しかしこれが悪くて、胃に負荷をかけたみたいで吐き気もやってくるし頭痛はさほど治まらないしでソファの上で身じろぎひとつできずに苦しんだ。

水を飲むのも精一杯で、だんだん指先が少し痺れてきた。今思うと貧血っぽかったかもしれない。悪寒もしてきてこの蒸し暑い時期にパーカーをかぶってちょうどよくなったので、相当具合が悪かった。

あまりにひどいので胃薬を飲んで、1時間くらいじっとしていたらだいぶよくなった。

体との相性とか時々の体調とかあるにせよ、こういうことがあると気安く薬を飲まずになんとかするほうがのぞましいと思うよなあ……。

立華高校マーチングバンドへようこそ (前編)

読んだ。10月からセカンドシーズンが始まるのできっと新作が出るだろうと思っていたけど、まさかの立華高校とは思わなかった。

北宇治での話は特別に憧れる人とその熱に浮かされた人というかたちだった。立華高校シリーズで特別なのは梓だけど、本人に自覚がない。
自覚がないけど熱量がある人は自分の特別さを普通とラベル付けしてしまって周りの人間を苦しめてしまう。

梓は特別な熱を持っているけれど、でも人としての器はそこまでではなくて、器が追い付くのかどうかという話が続くのだろうと思う。

初心者だった同級生に対する焦りや嫉妬を抱える先輩の気持ちは今でこそわかるような気がするけど、高校生の頃はもうちょっと単純にしか考えられなかったような気がする。彼女たちが特別そういうことに自覚的なのか、それともあれくらいの年代の女の子はおしなべてそういうものなのか。

あと、この作品は時々やけにフェティッシュな視線を女の子に向けがち。男のものとは異なる視線で、彼女らはこういうところもこう見るのかと考えると、見てはいけないものを見てしまったような気になる。

好きな人と何をしたいかというと、話を聞きたい。

好きなもの、嫌いなもの、印象深かった人のこと、家族のこと、ひっそりと続けていること、XXXの話、などなど。

そういう話を聞かせてもらうことって人生の断片をわけてもらうことであり、まったくの他人同士の人生が重なるということをとても尊く思う。

撫物語

撫物語 (講談社BOX)

撫物語 (講談社BOX)

話の骨子が「猫物語 (白)」っぽいなと思った。そんなことを言ったらセカンドシーズンの話っぽいか。

よく思い返すとセカンドシーズンにおける撫子は神になって暴れ回って何も解決しないままファイナルシーズンを迎えたのだった。暦を除く他の登場人物はセカンドシーズンである程度しこりを解決していたのに対し、そうではなかった。

以前に貝木が「闇の心」と言っていたけれど、別に撫子が特殊というわけではなくて単に他の登場人物より年下でそういう時期が遅れてやってきただけで、それがオフシーズンにずれるという結果になったのかな、と思う。

しかし同じような話が続いてさすがに飽きてきた。だから梃入れというわけではないと思うけれど、老倉さんが出てきたことは意外でおもしろかった。

ファイナルシーズンでは破滅的というか完全に破滅しきって世捨て人みたいだったけれど、撫子にお姉さんらしく振る舞うし、なんだったら「すぐに後ろ向きな独り言を口にするナイーブな女の子」にデフォルメされていた。その落差が怖くもそう描く作者が気持ち悪くも思うけれど、しかし暦以外の人間から見たらそういうものなのかもしれない。あるいは撫子だからかもしれない。

人間が破滅しきっているかどうかなんてわからないし、そもそも知りたくもないだろう。あるいは破滅しきっていると考えるのだって暦の、読んでいる自分の悪い癖かもしれない。